2020/08/25
「グッドデザイン賞に続き《静岡ニュービジネス大賞》に挑戦するドライテック」pt5《収益性(成長性)・市場性(将来性)》続々編

pt4ではインターネットと企業間連携を通した市場創造について紹介した。pt5では「まずは国内」をしっかりと固めたら「夢は世界へ」。国内の市場規模、そして世界展開への足掛かりについて。
10年来の協業パートナーMAPEIの世界網
pt4で触れたように、インターネットと企業間連携で産業構造を再定義すれば新たに拓く市場は膨大のように見える。
参考として、仮に1棟あたり30m2平均で年間80万棟の新築戸建て外構が舗装されていたとして、その面積は30×800,000=24,000,000m2が毎年新築戸建てだけで舗装されている計算となる(推計 ※30m2はおよそ乗用車駐車場2台分相当)。
平均10cmで施工されるとしても、透水性コンクリートの新築戸建ての舗装だけで新たに、2,400,000m3の市場が想定される。
この数字に戸建てリフォームあるいは共同住宅(新築、リフォーム)、駐車場需要、さらには、公共舗装(歩道・車道・園路)などは含まれていない。
市場規模としては舗装だけでも年間10,000,000m3と見積もっても多くはないはずだ。
現在生コン生産量は年間83,000,000m3と言われ、そのうち再生生コンは1000分の1にも満たない規模(年間83,000m3以下)と言われている。
仮にこの生コン総需要の20%を再生生コンの市場想定としたとして、16,600,000m3の新市場が立ち現れることを意味する。
その市場規模はあくまで推計ではあるが、「水の次に流通する材料」は伊達ではない。
本取り組みはpt4で論じたような戦略に基づいてこの5年以内に日本国内でその基礎を構築したいと考えている。
10年来の事業パートナー《多国籍企業》MAPEIのブランチ網
再生コンクリートの分野で協業している企業MAPEIとはイタリアミラノに本拠地を置く多国籍企業だ。
マペイ(Wikipedia)
Wikipediaの解説にもあるように同社は5大陸に35カ国に支店展開をしている。
我が国に支店を持たない同社との再生コンクリートに関する共同開発の歴史は10年前に遡る。
残コン(建設現場で余剰となった生コンクリート)の再生利用に関する協業を通して同社製品Re-con ZERO EVO他関連製品の日本市場総代理業務は10年目だ。
MAPEI社におけるコンクリート再生分野での市場開拓に関しては当社らが世界に先駆けており、緊密なパートナーシップで当該事業分野を国際的にリードしている。
(世界の国々の中で最も残コン再生ソリューション製品が流通しているのは現在我が国となっている)。
⚫︎参考記事: 「あなたや僕が関与するJIS規格」《生コングループ powered by 東京大学・MAPEI》生コン・残コンソリューション技術研究会
さらに、同社らは世界中に生コン工場とのネットワークを有している。
生コンの原料の1に「化学混和剤」という工業薬品があるが、MAPEIはBASF、SIKAに次ぐ世界第3位のシェアを誇り、その販売網はそのまま生コン工場との緊密なネットワークを意味している。
日本で生み出された環境コンクリート産業(透水性コンクリート、再生コンクリート)のあり方をMAPEIのブランチ網にそのまま寄せる。
夢は世界へ。本取り組みの大望。
前述したとおり現在本取り組みの5年以内の目標として、
⚫︎製造工場ネットワーク800工場
⚫︎施工ネットワーク4,800社(者)
としている。
この供給インフラを確固たるものとし、透水性コンクリートや再生コンクリートが建設・コンクリート産業において標準の地位を確立したら次なる夢は世界だ。
日本で確立した製造・施工供給インフラ、それに伴うノウハウや経験はMAPEIの国際ネットワーク(生コン工場網)を通じて世界規模となる。
我が国は世界で最も早く超高齢化社会を迎え、海に囲まれ国土も狭いこの国は「クローズドループ」「サステナビリティ」を世界中のどの国よりも早く実践すべき必然性を帯びている国の1つだ。
本取り組みの野望はその地理的必然性を持つ我が国日本で本取り組みを実現すること。
そして、その経験はやがて世界が求める価値となるはずだ。
現在はその大望(ビジョン)を念頭においた国内の実践と位置付けることができる。
世界規模の環境破壊は国内の冠水被害など市民にも深く意識されるところになっている。
産業人としてこれまでのように上意下達のお上任せにするのではなく地球市民として当事者意識をしっかりと持ち行動することが求められる。
(pt6《社会性》《起業家精神性》に続く)
宮本充也