2021/04/29
「カーテンゲートの開閉はドライテックの上でも問題ないのか?」TOKO・エクスショップ

カーテンゲート製造の雄TOKO(福井県鯖江市)では土間コンの新常識ドライテックとの各種コラボレーションに関する実験が行われていた。繰り返し開閉試験という試験方法がある。これにより、カーテンゲートの耐久性が試される。粗面のドライテックでも問題なく開閉されるのか。
カーテンゲート開閉試験
ドライテック上に設置された繰り返し開閉試験機。
全自動で1日8回365日10年、およそ30,000回の開閉に製品(カーテンゲート)は耐えられるかを確認する試験方法。
「見た目ゴツゴツしててなんか嫌」
ポーラスコンクリート舗装の普及に携わり始めた頃よく言われた評価。
人の評価は水物だ。
特に身近な人のフィードバックほど信用ならないものはない。
唯一絶対の評価者は市場と顧客からもたらされる現実。
動かし難い事実。
今では「見た目が味があってドライテックがいい」という評価を得ている。
移ろう評価ほどいい加減なものはない。
ただ、一方、「ゴツゴツしている」というのは評価ではなく事実でもある(好きとか嫌いとかは単なる個人の移ろいやすい主観でしかない)。
水を通さない土間コンクリートは水を通すための空隙がないのでゴツゴツせず扁平なのっぺりとした路面となっている。
だから、なんとなく、「カーテンゲートのタイヤがガタつかなさそう」というのは想像に難くない。
というわけで、カーテンゲート製造の雄TOKOとエクスショップの協力を得て、ドライテックの路面ではカーテンゲートの30,000回繰り返し開閉試験はどうなのか?という実験が行われた。
30,000回(1日8回365日10年)繰り返し開閉試験の詳細について解説するまさつぐの映像。
いよいよ実験開始。
実際に手動で開閉を体感してみる。
「やっぱ、ゴツゴツしてて滑りが悪い」
隠したってしょうがない。
カーテンゲートの取り扱い販売量も日本最大級のエクスショップの代表取締役自らの手で開閉した感想。
「やっぱ、ゴツゴツしてる」
これは紳士として厳粛に受け止めざるを得ない。
そんじょそこらの婦女子から「なんかゴツゴツしてて見た目が嫌」とか言われたら、「はいそうですか。僕の方から願い下げです」と逆ギレもしようものだ。
だが、ことはエクスショップ代表取締役の加島さんからのフィードバックだ。
「やっぱ、ゴツゴツしてる」
「はい。すみません」
なぜか知らんが、謝るしかない。
はい。
ゴツゴツしてます。
動かし難い事実です。
水を通すためにはどうしても砂利と砂利の間にペーストではない空間(空隙、隙間)がなければならず、そこがどうしても小さな凹凸となって、それがガタツキの原因となる。
そんな僕ではダメですか。
ここは逆ギレできない。
慎重に言葉を選びながらことを進めなければ致命傷を負いかねない。
滑り抵抗性という特性がある。
すべり抵抗値(Skid Resistance)とは舗装面と自動車のタイヤ等との間に発生する摩擦抵抗値のことです。 摩擦抵抗値が大きければ自動車はスリップしにくくなり、小さければスリップしやすくなります。(https://www.h-road-s.co.jp/service/suberidome/skidresi.html)
ドライテックなどポーラスコンクリートはこの滑り抵抗値が大きいことが一般に知られている。
この性能のおかげでブレーキが効きやすく交通事故防止などの効果が期待されている。
つまり、滑りにくい。
滑らない。
外さない。
そんな僕ってどうですか。
さらに、この特性のおかげでメリットが生まれているのも事実だ。
⚫︎参考記事: 《衝撃》「アンカーの引き抜き強度は何故普通コンクリートよりもドライテックの方が大きいのか?」TOKO・エクスショップ
この「滑らない」という性能に起因して、アンカーボルトは引き抜かれにくい(つまり、物置や補助柱などをより強固に固定することができる)という性能を発揮している
ある事実を片側から見るのと、真逆の方向から見るのでは、同じ事実でも全く別の意味を呈することがある。
滑りにくいから、ゴツゴツしちゃって、カーテンゲートが痛むのが早い。
開閉しにくい。
重い。
そう断じ切る前に加島さん待ってください。
「タイヤのないカーテンゲートを標準にすればいいじゃないですか」
そもそも、タイヤがあるからがたつくのではないですか。
タイヤがあるから、タイヤが摩耗するのではありませんか。
ならば、ハンガータイプのカーテンゲートに統一するのはどうですか。
タイヤがなければガタツキも気にならないし、製品が痛むのも避けることができる。
⚫︎参考記事: 「カーテンゲートの舗装を兼ねた基礎としてドライテックは適応できるのか?」エクスショップ・TOKO #2
生意気なようですが、2050年カーボンオフセットや深刻化する水災害。
求められる舗装はこれまでの大地を削り、汚し、蓋し、CO2を焚き続ける土間コンやアスファルトではありません。
大地を削らない、汚さない、蓋しない、CO2を収容するポーラスコンクリート舗装が標準となる証拠は世界の随所に見ることができる。
舗装、つまり、インフラストラクチャが変わる。
その世界で、ソフトウェア、つまりカーテンゲートを含む全てのエクステリア資材はそのあり方を根本的に変える必要があるのではないでしょうか。
常識が変化すれば、人々の暮らしも変化する。
農業革命、産業革命、情報革命。
その都度、人々の暮らしは大きく変化しました。
そして、エクステリア舗装革命、新しい時代の土台としてポーラスコンクリート舗装が土間コンクリートに取って代わろうとしています。
「やっぱ、ゴツゴツしてる」
そう、ゴツゴツしてるから、タイヤをやめましょう。
そんな重たい思いをして開閉させるのが忍びない。
全てのカーテンゲートよ、タイヤやめませんか。
あるいは、タイヤのところだけガイドレールをつけたコンクリート製品を標準にしたりしませんか。
「カーテンゲートの開閉はドライテックの上でも問題ないのか?」
およそ2週間程度でその実験結果は報告されることになる。
きっと、問題あるだろう。
だったら、タイヤが変わればいい、タイヤでなければいい。
それだけのことだ。
今、エクステリアの大前提、インフラストラクチャは大きな変革の時を迎えようとしている。
(何故か、やけに長文になってしまった笑)
宮本充也