2018/07/26
「輪ゴムとガラス 少しずつ、少しずつ」 透水・経年・耐久性・水たまり

アスファルトはゴムの親戚みたいなもんだから、
水を通す空隙を確保したところで長年の直射日光により劣化し、
結果めつぶれを起こして水たまりができちゃう。
もう、2012年のことになるから、隔世の感がある。
雪の舞い散る中透水性コンクリート施工見学会。
金沢生コンの苗代工場長、和田さんたちにご協力いただき、
生コン工場から購入できる透水性コンクリートの実演。
なににせよ、
つづける
というのはそれだけで価値であるよなあ。
今思い返せば透水性コンクリートを何回やめちまおうと思ったことか。
市場を見極めることができずあちこちで傷だらけになった記憶が、
今は懐かしく思い出される。
砂漠の祈祷師の例を常に思い出し、
成功するまで続けることが大切だと自らを発奮し、
振り返ってみればフッコーと共に歩んだ道のりは13年目を数える。
視界も変わった。
よく聞かれるのは、
めつぶれとかおきるんでしょ?
2~3年経つと結局水たまりになるよね?
いや、実は、そうならないのが、
透水性コンクリート「ドライテック」
の特徴といっていい。
輪ゴムとガラス
この特徴を端的に説明するとこうなる。
「めつぶれとかおきるんでしょ?」
こんな風に思われがちな理由は、
排水性アスファルト舗装が数年たつと水たまりになっちゃうから
これは、無理もない。
アスファルトは石油製品。
大別すると輪ゴムだと思ってもらえればいい。
輪ゴムを今の時期みたいな夏場に1週間も直射日光にさらしておくとどうなるか?
弾性を失いつまむとぽろぽろと引きちぎれてしまうだろう。
アスファルトはゴムの親戚みたいなもんだから、
水を通す空隙を確保したところで長年の直射日光により劣化し、
結果めつぶれを起こして水たまりができちゃう。
透水性コンクリートは大別すると、
ガラスの仲間。
コンクリートは無機材料といってSiが主成分の1つ。
ガラスの破片を直射日光に1週間さらしたらどうなるか?
どうもならない。
そりゃそうだ。
ガラスはそういうもんだ。
そして、透水性コンクリートもその類に漏れない。
一度確保された空隙(水を通す)は永久にそのまま。
だから、水たまりも永久にできない、ということになる。
冒頭の動画はかれこれ4年も前に施工されたものだと思う。
記憶は確かではないが。
とにかく、数年たってもこれこの通り、
生コン工場という決して好ましい環境ではないながらも、
未だにたくましく水を通し続けている。
こうした舗装が少しずつでもいいから普及していくことによって、
環境問題は少しずつだが前進していく。
少しずつ、少しずつ、
つづける、という行為は、見た目ほど楽じゃない。
だが、つづけられるのは、仲間たちがいるから。
仲間たちと共に、少しずつ、少しずつ。
歩いてきた道程を振り返れば、
行くべき未来の道のりがうすぼんやりと見えてくる。
この日本から水たまりをなくす。
ヒートアイランド抑制。
ゲリラ豪雨、洪水の対策。
1日1日はちっぽけだけど、
振り返る13年は実に尊い価値を世の中に提供していることをみれば、
これから先の未来にも期待が持てるし、
自分が今何をすべきかがわかる。