2018/07/30
「照り返さなくていいね|夕方から打てる土間コン」

楽だわー、これいいね!照り返さなくていいね。
東京都調布市で開催されている見学会。夏日。照りつける太陽の中100m2を超える規模をはじめての人達の手により施工される
春夏秋冬、くっきり四季のある日本。
生コン打設には、
ブリーディング水
といって材料分離による浮き水現象がある。
この浮き水のせいで土間コン打設には、
待ち
が発生する。
なすすべもなく浮き水が引くのを待つ時間。
特に冬場はこの現象は長引く。
そのため仕上げが夕方、あるいは夜間にまで続く。
このため、
「冬場にはいいね!」
という評価をいただくことがあり、
いくつかある採用理由に特に冬場は浮上する、
生コンでいいこと。
工期が迫られる土間コンにおいてこの速さは、
魅力と理解されている。
もう4月も下旬。
明日からは連休が始まる。
気温も夏に向けて上がり、
ブリーディング水も比較的早めに消える。
土間コンの施工しやすい時期といえる。
つまり比較的この新世代の土間コンの価値は薄まる?
たしかに水引き待ちの短さという魅力は少し現象するかもしれない。
ただ、今回初めて施工した方達の発言の中に、
また別の魅力があることが知れる。
やっぱり、使う人でなければ価値はわからない。
長年お届けしていてわかることだ。
使う人ではない作って届ける人達としての僕たちは。
最初は何が魅力なのかわからないけれど、
「きっと○○が魅力なはず」
という仮説のもと売り始める。
きっとそれが顧客や市場にとって価値のあるものであり、
そのことで僕たちも豊かになれる。
そう信じて売り始める。
そしてことごとく間違っていることを思い知らされる。
価値は使う人達が決める。
これを忘れてはいけない。
照り返しがない。
楽。
顧客のふとした一言に価値の幻影は宿っている。
作ってお届けする僕たちはその幻影を見逃さないよう努めなければならない。
お客様に、
「何に困ってますか?」
「どの点が価値がありますか?」
そんな風に尋ねてみても明確には答えてはもらえない。
そこを汲み取るのはぼくたち供給者の仕事だ。
今回の写真とリポートは専門家ではない人がメッセンジャーで届けてくださった。
長年お取り引きをさせていただいている方だ。
このところDMの他にmailで既存のお取引先様に見学会のお知らせをしている。
それに呼応してご来場くださった。
専門家ではない方だから。
だから、素直に顧客のおっしゃってることをそのまま伝えてくれる。
専門家の僕たちはもしかしたら、
「照り返さなくていいね」
この言葉を見過ごしていたかもしれない。
当たり前のこととして気に求めていなかったかもしれない。
そしてこの価値は、
「夕方から打てる」
ことでさらに価値を発揮する。
従来の土間コンと違って打設時間を自由に選択できるのだ。
朝一や昼日中にこだわることだってない。
お客様も専門家。
僕たちも専門家。
だから、物事を見るときの視点がどうしても狭まる。
ときに専門家ではない一般の方の当たり前の指摘が妙に心にひっかかる。
生コンでいいこと。
宮本充也