2018/07/25
「モノに羽根が生えた時代」透水性コンクリート・沖縄

Amazonで買い物をすると、アメリカ企業が利益を得るわけだから、
税金はアメリカに納税される。
同じものをローソンで購入すれば、
それは日本に納税される。
古来より、モノ・カネ・情報のビジネスにおける順序は、
1.情報
2.モノ
3.カネ
と相場が決まっている。
つまり、最初に情報(誰がいつどこでなにを買いたいか)があって、
最初にそれを得た人がその後の物流や商流を決めていく。
建設業で例えてみると、構造物を建てたい人に相談を受けた人→設計・コンサルまたは不動産
が「1.情報」を得るわけだから、ヒエラルキーのトップに君臨する。
これが古来からの習わし。
その次に流れるモノやカネを国家が管理して税金を課す、という仕組みだったわけだけど、
「情報を得る人(法人)」
の流動性が圧倒的に高まった時代であることを、
冒頭の例が示しているんだと思う。
IT業界ではすでに起きていることのようだが、
「日本政府が発注する事案を国外のソフトハウスが受注」
なんてことが起き始めているそうだ。
建設業界ではどうだろうか?
ITほど流動性は高まっていないけれど、
WTO案件といって、
国が発注する案件に対して広く海外企業(GC)に門戸を広げる取り組みが始まっているが
建設産業のパラダイムはどうしても、
場所とかもの
とかになりがちであるため、
シンガポールのなんちゃら社に落札されました
なんてのはついぞ聞いたことがない。
つまり、建設産業は非常に流動性が低くつまり、
実に保守的
そのヒエラルキーのある意味底辺に位置する
生コン屋
はもっとも流動性の低い産業と言っても過言ではない。
カルテルが認められているわけだし1時間半以内に商品を納品しなきゃだし。
このように考えると、非常に夢のない若者にとって悲しい産業のようだけれど、
もしかしたらだからこそ、
「最もITによる合理化の余地がある産業」
と言い換えることができるのではないだろうか?
昨日から沖縄県を訪ねているけれど、
今日はGNNの仲間、南建工業の富永さんと一日をすごした。
考えてみれば僕が生コン屋に入ったころ、
「沖縄の生コン工場の方と一日仕事の話で盛り上がる」
なんてことは考えられなかった。
そもそも、「何話せばいいの?」である。
せいぜい組合の飲み会や遊びの旅行を無理やり「研修旅行」と名付け、
がやがやの他所の地域の組合になだれ込み、勉強してるっぽくして、
実際は研修という名の交遊
が関の山だったろう(未だに一部あるからあまり批判できない)
先日もGNN生まれの透水性コンクリート、
ドライテック
は沖縄で施工され、また来週に40m2ほど施工を予定している。
今やGNNという仮想空間(生コン屋のアライアンス)で情報は、
・組合
・地域
の垣根なく流通するようになった。
どこでなにが起きているかに対して壁もなくすぐにアクセスできる時代になった。
だから、伊豆半島や東京で頑張って出来上がったドライテックという価値(情報)は、
遠く沖縄の意識の高い人の目に留まり実際に、
モノ→ドライテック
は沖縄の土地で施工されるようになっている。
これはよくよく考えると、本当に本当にすごい時代に生まれていることに気づかされる。
ヒト
というリソースをさらに有効に活用できるプロジェクトを考えている。
これまで僕たちが縛られてきた、
・地域
・枠組み
から完全にフリーになって、まるでハネが生えたかのように、
これからとんでもないことがたくさん生まれていくことを今日も革新した。
モノに羽根が生えた時代
そんな風に定義づけることができるのかもしれない。
これから制限が完全に取り払われる時代。
もっとも大切な価値は、
ヒトの創造力
になっていくのだろう。
想像したことが実際に創造されるのが発展なわけだから、
さらにさらに限界を取り壊してどんどんどんどん成長していくことのできる素晴らしい時代となる。
そしてうれしいことに、建設業がもっともその可能性を秘めているのだ。
宮本充也