2018/07/25
「透水性コンクリート ≠ 生コン屋」脱・現場製造

埼玉県川越市は小江戸と言われてとても情緒のある街。
近隣に僕の親戚が多いこともあって、子供のころから親しんでいる。
休日を過ごすにはとても長閑な素晴らしい場所だし、
見渡す限り平野で荒川も近くランニングを好む人にはお勧め。
そんな川越市で今回水たまりのない歩道の工事があった。
は東京を含む関東全域で展開するエクステリアブランド。
そちらに、GNNの仲間である渋谷建材(川越市)の大曾根さんが提案した、
水たまりのできない歩道(透水性コンクリート)が採用された。
(水たまりのできない歩道。フラットでコケも生えないのでお年寄りにやさしい)
(歩道のところに雨が降っても瞬時に地下に通してしまう)
なんと、FULFiLL・Styleさん、
これまでも何度も水たまりのない歩道の工事をやってきたそうだが、
「現場で手作業により作っていた!」
というではないか。
これには驚いた。
確かに専門家であれば、水たまりのない駐車場、
透水性コンクリート(ポーラスコンクリート)をご存じの人は多い。
専門家であれば、作り方だって知ってるし理屈がわかれば製造もできる。
「水たまりのない歩道」
は今後高齢化を迎える日本にあってますます価値が認識されるだろうから、
先見の明を理解しまさか「手作業で製造」するなんて素晴らしいパイオニアだと思う。
そして、この作業はとても大変な経験だったろうことも容易に想像がつく。
この点については生コン屋の端くれとして反省もひとしお。
つまり、上記の事実が示すのは、
「透水性コンクリート=生コン屋」となっていなかったってこと。
透水性コンクリート≠生コン屋というイメージを僕たちが創ってしまっていたということ。
確かに生コン工場の多くは新規性の高い特殊製品に対して保守的。
長年かけて僕たちが創ってきた業界イメージは、
生コン屋のことを近づきがたい存在にしてしまったということは事実だろう。
そして、実際に透水性コンクリートを嫌がる向きも多い。
透水性コンクリートと聞いただけで、
「あ、うちは無理です」
と答えられた経験は一度や二度ではない。
きっと今回のお客様も、生コン屋からこうした回答を得ていたんだろう。
現場で製造する透水性コンクリートはとにかく難易度が高い。
当然、大量購入を前提とする生コン工場の原材料と違って、
小ロットで購入するだろうから材料代も高くつくだろうし、
買った原材料を今度は製造するためにはミキサーなど設備を借りる必要がある。
更に、製造・施工とそれぞれに人手がかかるので結果的に、
ものすごく面倒くさくて高額な透水性コンクリートのいっちょあがりとなる。
その点生コン工場から大量に一度に納品ができるドライテックは、
とても便利だったはずだし、お役に立てて心から嬉しい。
しかも、Fukkoとのコラボ製品であることで品質への安心感も持っていただいたようだ。
今回もつくづく感じたことだけど、
「生コン業は情報発信してなさすぎ」
それ以前に、僕たちが僕たち自身の価値気づいてない。
実は場所や分野を変えればものすごく役に立つし、
世間一般から称賛されるだけの価値を持っていることは、
今回の福岡地盤沈下や豊洲市場の問題をあげるまでもない。
※参考ブログ→「生コン福岡の穴役に立つ」
既存顧客である商社や地元建設会社、大手ゼネコン、組合。
そこはもちろん大切。
彼らのおかげで生コンが世に出ていくわけだから。
ただ、その産業構造は急激に縮小しているのも事実。
既存顧客のみを想定市場としていればどこかで無理が生じるのは自明。
単独一社で情報発信は中小企業には至難の業。
一社一社は蟻のようにもろく無力。
だけど、蟻も集まればさながら一つの大企業のように、
むしろ大企業よりも柔軟で機動力のある素晴らしい組織となる。
僕がGNN元気な生コンネットワークに寄せる期待は、
こうした情報発信の主体となり、全国に眠る役に立つ生コン工場に、
活躍の場を提供して新しい市場を作り出すこと。
明日に迫ったGNNで、今年も僕は多くの奇跡を目にするだろう。
宮本充也