2020/08/24
「関係3省庁、学会、ゼネコン、生コン、関係企業ら総勢110名以上参加」生コン・残コンソリューション技術研究会報告(月刊残コン Vol.39)

先月の月刊残コンでお知らせした生コン・残コンソリューション技術研究会キックオフミーティングは国内外から総勢110名以上をお招きし、関係省庁、ゼネコン、生コン、関係企業らの注目する中、東京大学野口先生により発足が宣言された。月刊残コンVol.39。
「あなたや僕が関与するJIS規格」《生コングループ powered by 東京大学・MAPEI》生コン・残コンソリューション技術研究会
https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/jis_powered_by_mapei.html
「残コン」
責任主体がはっきりしないその存在は公的な位置づけを持っていなかった。
ともすると「犯人探し」の様相を呈するこの主題。
誰もが自分ごととして取り組みづらいその分野の扉が東京大学野口先生の号令により開かれた。
当日は、関係3省庁(経済産業省、国土交通省、環境省)にもご参加とコメントをいただき、学会やゼネコン、生コン、関係企業らが110名以上オンオフライン交々で参加した。
もう、誰の目にも明らかな残コン。
キックオフ、つまり《残コンを主題とするゲーム》は始まった。
残コンというフィールド(市場)の幕開けを意味する。
会では「知られざる社会的課題」として残コンが共有され、社団法人発足への座組も協議された。
お名前が挙がったのは以下の通り。
(理事長)
東京大学 野口貴文
(理事)
明治大学 小山明男
金沢工業大学 宮里心一
東京都立大学 上野敦
ACRAC 柴谷啓一
山一興産 柳内光子
9月以降正式に組織が発足され残コンに関するモメンタム形成のための活動が活発化する。
①現状把握のための統計を取る
②残コン・戻りコンが循環資源と成り得る可能性を見極める
③既にある規格・標準を実態に沿って改正し活性化させる
④新技術による残コン・戻りコンソリューションを積極的に JIS等の規格や標準に制定する
ゲーム(市場)がゲーム足り得るための要件は、「ルール(規格)」と「プレイヤー」、そして「フィールド(場)」。
いよいよ市場が開かれる第一歩を踏み出した残コン。
既往の副産物、「建設発生土」「コンクリート塊」「アスファルト・コンクリート塊」「廃木材」あるいは、「高炉スラグ」「フライアッシュ」のように再生利用が成立するために必要なこと。
まずは、関係当事者全員からその存在を認知してもらうこと。
そうならなければ、「フィールド(場)」は無いも同然。
サッカーしたくとも場所がなければ始まらない。
「まず、サッカーという協議が認知されなければ場は生まれない。」
さらに、ルール。
「場があったとしても、何をどうしたら勝ちなのかがわからない(ルールが設定されない)まま、山奥の芝生の上でゴルフボールとゴルフクラブを渡されてもゲームは成立しない」。
残コンを資源循環型資材としてとらえるためには、まずはフィールドとルール(JIS規格や場合によっては法整備)が必要となる。
それでこそ、その残コンを問題ではなくチャンスと捉えて競技に参加しようとするプレイヤーが生まれる。
既往の副産物が開いてきたような市場を残コンも創り出す。
まだ、世界でどの国も残コンを市場として捉えていない。
我が国はどの国よりも早く超高齢化社会を迎え、さらに国土が狭い海洋国家であるために処分場もどの国よりも早く逼迫する。
普通に考えれば、これはリスクや危機のようにも見える。
ただ、危機があるから、人々はその都度乗り越えイノベーションを起こしてきた。
どの国よりも早く残コンを市場として捉え世界に範を垂れる。
水の次に流通する材料「生コン」の知られざる副産物「残コン」にイノベーションを起こすこと。
それは、未だに市場が形成されていないリサイクル生コン、資源循環型の生コン産業を生み出すきっかけになるはずだ。
(※我が国の再生生コンの出荷量は通常の生コンの1000分の1にも満たない)。
その門出としては申し分ないキックオフができた。
さあ、これまで見出されてこなかったあらゆる辺境の才能がこれからこの国の産業を再定義する。
生コン産業が資源循環型社会の重要な責務を担う世界へ共に走り出そう。
(以下、参考記事)
⚫︎ 「《ダブルみっちゃん》改め、《トリプルみっちゃん》」生コン・残コンソリューション技術研究会(建設3大紙・プレスリリース)
⚫︎ 「いよいよ賽は投げられたぞ」生コン・残コンソリューション技術研究会キックオフミーティング
月刊残コンチーム
宮本充也