2020/12/19
「日本版 EN 206 を創造し、残コンだけじゃなくCO2もリサイクルしちゃおう」RRCS

CO2 ≒ 残コンという考え方に夢中になっている。CARBON CUREばかりじゃない、CCU(CO2 Capturing & Utilization)技術には以前も紹介したBlue Planetもある。CO2が骨材になる。その骨材、EN 206によれば、総骨材量の5%までなら利用できる。日本版 EN206を完成させよう。
日本版EN206で広がる資源循環
⚫︎参考記事1: The European Industrial Standard (EN206) allows the use of recycled aggregates (up to 5%)- RRCS
⚫︎参考記事2: 「EN 206(欧州の工業規格)では粗骨材量の5%まで残コン再生骨材をブレンドしても良い」RRCS
⚫︎参考記事3: 《CO2≒残コン》「無筋コンクリートや非構造体を対象としたコンクリートは巨大な残コンとCO2の受け皿」RRCS
⚫︎参考記事4: 《blue planet》「シームレスに、グローバルに、交わる先端環境コンクリートテック」RRCS
RRCSで立ち上げようと思っている分科会「日本版EN206創造プロジェクト」。
早い話が、「総骨材量の5%までなら何入れたってOK」という規格。
1日100m3出荷する生コン工場であれば、総骨材量およそ200トンとして10トンまでなら「いい加減な骨材を入れてもOK」ってこと。
この1日10トンの骨材。
由来が、残コンであろうと、CO2であろうと、構わないのだ。
これ、結構すごいことだ。
以前も紹介したBlue PlanetはCO2を骨材に変換することができるテック。
骨材≒CO2。
ただ、生コンをよく知る方ならお分かりのように、我が国JIS規格でこの技術を通そうとした場合、そう簡単に新しい材料を構造物コンクリートで採用できるようにはなっていない。
規制の壁というものが存在する。
無論、RRCSの役割としては、こうした有意なテックを規格化し、普及を促進するというのがある。
また、CO2関連は菅総理大臣も排出0を宣言したように、今後市場として拡大が予想される分野でもある。
そこで、生コンポータルが今注目をしているのが、European Industrial Standard(EN規格)のEN206。
この残コンやCO2などを由来とした骨材を総量の5%まで利用することを許す規格は環境テックに対する敷居を低くする。
より採用されやすくなることを意味する。
JIS外品と、日本版EN206の両輪で資源循環は果たされる。
⚫︎参考記事: 「CO2ゼロは生コンに任せろ!」次なる透水性コンクリート《CO2固定化》CARBON CURE
⚫︎参考記事: 《CO2、大地に還る》「 CCUの潜在性はポーラスコンクリートだけじゃない」生コン屋さんの埋戻し材・CARBON CURE
参考記事にあるようなJIS外品の分野だけでもざっくり年間1,000万m3は見込める。
ドライテックや流動化処理土の原料(骨材)としてなら、今から、明日からだって採用できる。
そして、それ以外の仮に年間8,000万m3の通常コンクリートの総骨材量の5%まで、CO2や残コンが由来の骨材を混ぜていいってなったらどんなだろう。
16,000万トンの骨材の5%だから、800万トン。
CO2って、800万トンあるんだろうか。
足りるんだろうか笑。
CO2が足りなくなる心配をするなんてまさに夢みたいだ。
で、調べてみた。
2018年度 1,138百万トン。
( https://www.jccca.org/chart/chart04_03.html より引用。
11億3千8百万トン。
足りる!
全然足りる!!
杞憂!!!
CO2半端ねー。
空気中に浮いてるくせして、10億トンて!!
重っ!!
相手にとって不足なし!!
水の次に流通する材料「生コン」がCO2ストックの最有力候補。
膨大なCO2の排出を前にして多少立ちくらみを覚えたが、それでも800万トンという市場は巨大だ。
僕たちのやっている「生コン」は水の次に流通する材料なのだ。
飛行機から地上を見下ろした時にだってコンクリート構造物は目視できる。
自動車や洋服は小さすぎて見れない。
それだけ大きなものを僕たちは取り扱っているということがわかる。
いずれの産業よりも、「大地を多く削り、汚し、蓋し続けてきた」巨大産業は、CO2発生量も、セメント産業8%、どこよりも排出してきた。
CCUというイノベーション。
そして、世界に先駆けて発足した残コン(生コン産業の副産物という意味からすればCO2も含む)のリサイクルをテーマとしたRRCSの発足。
来年の大きな柱は、日本版EN 206の確立と、各種CCUコンクリートの実装。
これまで培ってきた蓄積は2021年に大きく前進するようだ。
「日本版EN 206を創造し、残コンだけじゃなくCO2もリサイクルしちゃおう」
資源循環の要は、絶対に生コンだ。
その実践を世界に先駆けて行うのは、我が国日本だ。
宮本充也