2020/09/03
【静岡】「あちらこちらの地下の管がLSSで埋められ、土に戻る」生コン屋さんの埋め戻し材

生コン屋さんの埋め戻し材による廃止菅充填の採用が止まらない。従来エアーモルタルなどの高額な製品で埋め戻され、撤去されるときにはそれはコンクリート塊となっていたそれは、安くて撤去するときには建設発生土として再利用可能な生コン屋さんの埋め戻し材でどんどん充填されていく。ここで一句「あちらこちらの地下の管がLSSで埋められ、土に戻る」(柳川さん)。今回の施工実績は、なみさん、吉田さん現場からの報告。
廃止菅充填なら生コン屋さんの埋め戻し材
こちらはなみさんによる現場からの共有。
廃止菅そのものは見れないが、入口と出口の写真がバッチリ写っていて生コン屋さんの埋め戻し材(残渣式流動化処理土)が充填している様子がイメージしやすい。
生コン車から排出される埋め戻し材。
まるで泥水のような流動性。
こうして生コン圧送車を通じて材料は廃止菅の入り口に届けられる。
こちら地面に突き刺さっているホースが廃止菅につながっていて、その中を材料が流れ込んでいく。
廃止菅が残渣式流動化処理土で充填されればその後時間の経過に従って材料は硬化し最終的には現地盤同等の強度まで固まる。
そのためエアーモルタルのようにカチコチに固まるわけじゃないので撤去する際も「建設発生土」として処理できる。
エアモルの場合はコンクリート塊となるため材料自体も値段が張るが、撤去するときにも余計なコストがかかる。
生コン屋さんの埋め戻し材はエコなのだ。
それでは、その廃止菅がきちんと充填されているのをどのように確認するのか?
こちら出口。
入り口から入った材料が出口から出てくればそれは充填完了のサイン。
非常に単純で手間のかからない確認方法。
この手軽さと生コン屋さんの「すぐ近くにある」という身近さが生コン屋さんの埋め戻しという工法の強みとなっている。
こちらは吉田さんによる現場からのご報告。
このように静岡県伊豆地方(今回は沼津市や伊豆市)では「廃止菅の充填といえば生コン屋さんの埋め戻し材」という標準が生まれている。
10年を要したこの普及活動の歴史に感極まったのか。
前工場長柳川眞次さんがグループチャットで突然詠み上げた一句。
「あちらこちらの地下の管がLSSで埋められ、土に戻る」(柳川眞次)。
「サラダ記念日」を彷彿とさせる型にはまらない素晴らしい一句だと思います。
実際柳川さんがこの伊豆地域で初めて生コン屋さんの埋め戻し材の普及活動を始めたのだ。
こうして日常の光景に馴染んでいる様子を見ていると誰よりも感動してしまったのだろう。
次はドライテックで一句詠んでもらいたいと思う。
全国にはいろんな種類の生コン屋さんの埋め戻し材がある
有名なところだと神奈川県のスラモル(金子コンクリート)というものがあって、これは全国の生コン工場の共感を得て各地で同様に普及活動が行われている。
https://suramoru.kanecon.co.jp/link/index.html
今回紹介している残渣式流動化処理土は静岡県浜松市に操業する中村建設が拓いた工法だ。
(※中部地区の中村建設と表示されている5箇所に加えて福井の協立生コンクリートや沖縄の南建工業など)。
技術としてはさほど高度なものではない。
いずれも安価に手に入る(あるいは副産物として有償で受け入れられる)ものを原料としており所定の流動性や強度発現を期待したもの。
スラモルや流動化処理土以外にもやる気さえあればその土地ならではの材料(例えばシラス・火山灰などその土地ならではの原料)を用いて製品開発するのもアリかもしれない。
要は生コン工場のやる気次第ってことだ。
作っては壊す時代は終わった。
人口半減社会に向けて至言循環型社会の重要なハブ機能としての役割を生コン工場が果たすためにも。
こうした先端技術へのアンテナを張り実践すること。
そして、その現場の実践を埋させず発信すること。
つまり、「知ってもらうこと」。
これが、これからのBtoB産業生コンに求められている姿勢なのだろう。
宮本充也