2021/11/20
【静岡】「新規事業群の売上・利益ともに本業を凌駕した」山田組

一昨日、昨日(2021/11/19)と2日間にわたって流動化処理土300m3もの大量出荷が行われていた。生コン産業の目の前に開ける新しい市場。コンクリート舗装だけじゃない。向き合う姿勢さえ変えればいくらだってチャンスは広がる。
製造:長岡生コンクリート(担当:リョウチン)、施工:山田組
本業生コンを凌駕する新規事業群
2日間にわたって300m3もの流動化処理土が納品された山田組の堰堤築造の現場。
構造物を築造するにあたっては現地盤は掘削されることになる。
構造物が完成してからその掘削された空間は戻される。
つまり、埋め戻し。
このところ静岡県伊豆地方では当たり前のように流動化処理土が埋め戻しに検討されるようになっている。
当社長岡生コンとしては10年以上の歴史を数えるプロダクトではあるが認知はここ数年で急激に広がった。
何事も時間がかかる。
すぐに諦めてしまってはそれこそすごろくで言うところの振り出しに戻るようなもんだ。
最近気づいたことがある。
当社の本業、長岡生コンとしての生コン製造・販売の売り上げ、そして利益ともに、新規事業群(流動化処理土、透水性コンクリート、残コン再生コンクリート)が凌駕したという事実だ。
⚫︎参考記事: 「宮本君。生コンだけやってたら頭バカになるぞ」橋本政昭
先日他界された英傑橋本政昭さんがきっかけとなって当社としては新規事業への取り組みが始まった。
「このまま生コン一本足打法ではやばい」
危機感が背中を押した。
その危機感を証明するように、現在に至るまで生コン製造・出荷は一貫して下りのエスカレーターの軌道を描いてきた。
毎月管理会計で経営成績は確認しているが、もし、あの時、新規事業に取り組んでいなかったら。
完全に未来を望むことができなかったろう。
生コン工場は良くも悪くも考えることを求められてこなかった。
70年以上、JIS A 5308あるいはカルテル(独占禁止法適応除外)の2つの鎖に繋がれて、箸の上げ下げまで指図されることに慣れ切っていた。
自分で新しい価値を生み出すなんかどこか遠くの誰かの話。
目の前にはつまらないけど家族を養う程度の仕事が与えられる。
ジリ貧なのだけれど。
僕の尊敬する野口貴文さんがとあるコンクリート関連に招待された講演で、「脱炭素トレンドに取り組まない生コン工場には破滅しかない」と豪語したそうだ。
そこには全国団体の会長も列席されていたという。
果たして3204を数える生コン製造者にこの真意は伝わるだろうか。
新しいことを起こさねば未来はないということだ。
文字通り幸か不幸か、当社としては一番乗りにその苦しみを経験してきた。
後ろから崖が崩れてくるのを逃れるように。
新規事業をやらなければ死ぬ。
やばい。
走らなきゃ。
その結果として、現在当社の新規事業群の売り上げ・利益ともに本業を凌駕した。
有り体に言えば、本業は赤字だ。
すっからかんだ。
組合から割決される数量など先月はたった200m3だった。
もう、現在の秩序、モデルは限界を迎えていることの証左だ。
それでも、アクションを起こそうとしない生コン産業。
嘆いていたって仕方ない。
自分ができることをやるだけだ。
情報共有による製造・施工・消費ラストワンマイルの創発は循環するコンクリートを創造する。
コーポレートステートメント、信条に従い、今日も粛々と情報共有に勤しんでいるだけ。
宮本充也