2020/07/28
【静岡】「ガス・電気・水道インフラに届けられる生コン屋さんのプロダクト」静岡ガス・残渣式流動化処理土

エネルギーインフラ事業と相性がいい生コン屋さんは電気・水道・ガスと同様日本中の人が暮らす全ての地域で今日も操業をしている。運ぶのは何も生コンだけではない。僕たちの仕事は現場やお客様が喜ぶものを形にしてお届けすること。それが、ものづくりという仕事。
製造:長岡さくら工場、施工:香陵興業、発注:静岡ガス。
生コン屋さんのお届けする製品は《生コン》じゃなくたって良い
こちらは東京電力発注の送電線鉄塔内舗装に採用された透水性コンクリートは生コン屋さんから届く。
電力・水道・ガスなどエネルギーインフラ企業からご用命をいただく場合、僕たち生コン屋さんがお届けするのは通常の生コンではない場合もある。
その一つが《生コン屋さんの埋め戻し材》こと残渣式流動化処理土。
通常の生コン打設の光景(生コン車と圧送車)と違って、シュートには布で作られたホースがついてるし、ホッパーには籠のようなものが設置されている。
こちらの現場は地元エネルギーインフラ企業静岡ガス(SHIZGAS)から発注されたもの。
使われなくなったガス廃止管を舗装を撤去し開削して撤去するのではなく、地中でそのまま管内を充填し強度を持たせそのまま埋め殺してしまうもの。
このようにすることで開削撤去復旧に関わる時間やコストや周辺への負荷(騒音・粉塵・振動)を大幅に削減するだけでなく、その後の落盤など地盤沈下を防ぐという効果もある。
これまで階層や業種による壁に遮られてきたいろんな業種がIT革命と企業間連携でシームレスにつながり始めている。
これまで接点を持ちようがなかったガス事業者が「ググる」という行為で生コン屋さんが製造するソリューションを知ることができるようになった。
ほんの20年前には想像を絶する出来事だ。
情報革命と企業間連携が作り出す新しいソリューションやプロダクト
旧来の上意下達型産業構造1WAYと違ってインターネットと企業間連携の情報フローの特徴は2WAY。
一方通行でお達しが下されてくる(押し付けられる)のと違って、双方向に情報が行き来する。
元請け、下請け、という絶対的な関係性ではない。
互いに互いを思いやることが起きやすい構造。
だから、ガスや電力などのようなこれまででは完全に別のセクターで起きていることや懸念されることについて、生コン事業者が理解を深めやすい時代ということができる。
これまで見出されてこなかった生コン屋さんのソリューションが見出され採用されることによって新しい市場が生み出される。
生コン屋さんの新しい収益基盤が生まれる。
そうすることによってさらにいろんなソリューションやプロダクトが生み出されやすくなっていく。
こうした出来事をインターネットは広く世界に配信することができる。
別の地域の電力会社やガス会社がその地域の生コン屋さんに相談することも起きる。
そのことでその地域の生コン屋さんはそれまでにない事業に関心を持ちやってみようとすることだって実際に起きている。
新しい時代の新しい生コン屋さん(ものづくりのラストワンマイル)は何も生コンだけを練っている必要はない。
新しい時代の新しい関係性で必要とされるものを僕たちはしっかりと見極め、それを形にする。
それはもしかしたらもはや生コンではないかもしれない。
振り返ればいつしか僕たちが練っているのは普通の生コンばかりじゃない。
透水性コンクリートもそうだし、再生骨材コンクリートも、そして今回静岡ガスにお届けした残渣式流動化処理土だってそう。
JISで定められて上意下達で「これをいう通りに練ってくれ」という要請ではなく、自分たちで主体的に作り出した製品。
インターネットと企業間連携に感謝しない日はないくらいだ。
宮本充也