2017/01/26
「奥村組の残コン処理」 圧送車・高含水・ホッパー・セルドロン

当サイトでは年中残コン残コンと書き散らかしてきたので、
「残コンてなに?」
と言えば、ある程度のイメージは持っていただいていると思う。
そう、現場で使われず持ち戻された生コンクリート。
廃棄物である。
ただ、より専門的に書けば残コンにも色々ある。
恋愛にも色々あるのと同じである。
残コンの種類の一つ。
圧送車に残った生コン
※適当な写真が見つからなかった
つまり、生コンは大方の場合圧送車という写真の設備で送られる。
その場合ごく少量(といっても0.1~0.3㎥内外)生コンが残る。
これも、残コン。
通常の残コンのイメージからいえば、5~10分の1程度の規模のため、
「それほど問題じゃないんじゃない?」
みたいに思われるかもしれないが、この圧送車に残った残コン。
かなり厄介な問題になりつつある。
少量とはいえ、適正処理が要求される時代。
往時であれば残土や埋め戻し土に混ぜ込んで適当に処理しちゃってた。
まあ、ぶっちゃけ、はっきり言って、全く問題はない。
考えてもみればいいが、そもそも躯体を作るのに使われる生コンなのだから、
それが建設現場の土に多少混ざって何か問題あるかといえば、
ご推察の通りである。
ただ、コンプライアンスの時代、ルールはルール。
適正に処理しましょうねってなるとそれに従うのが筋。
だからこんな感じで余った残コンはきちんと管理され、
写真のように翌日砕かれたりなどどして産廃処理されるのが常。
奥村組は考えた。
これでは芸がない。
ものづくりの雄、奥村組の技術力はこんなものではない、と。
(※ここからはTV番組「プロフェッショナル」の主題歌(スガシカオ)を流しながら読んでください)
この現場ではまだ30回くらい生コン打設がある。
来る日も来る日も、そんな芸のない処理方法でやっていていいはずがない。
生きる。
人が生きるというのは特別なこと。
草木と違って意志を持っている。
流されていいのか?
奥村組は考えた。
セルドロンという製品がある。
古紙を微粉砕した製品。
高含水の残土に混ぜると一瞬でパラパラにある瞬間吸水材。
残コンにも使えるのではないか?
奥村組は、そう考えた。
ヘドロも圧送車に残った生コンも高含水のビンガム流体。
同じだ、と。
混ぜてみた。
それは、瞬間的に水分を取られ、サラサラになった。
現場で利用される仮設資材として新たな命が吹き込まれた。
モノづくりの現場では人がいつも真剣に、
「より、よい」
を考えています。
今回は技術力で定評のある奥村組さんにチャンスをいただきました。
僕たちが持っている価値は僕たちが決めるのではなくて、
生きた現場技術者の目に晒され手段として吟味されて、
製品として命を吹き込まれます。
僕たちが生み出した技術。
これからも多くの人たちの手によって新たな用途が生み出されていくでしょう。
現場で余った残コンがセルドロンによって有効利用される。
こんな経験が全国に広がっていくことを想うと、
また新たな素敵な技術者との出会いに思いをはせると。
朝からワクワクがとまりません。