2020/10/16
生コン車ドラム内部の《水手ばつり》プロジェクト with ケルヒャー

《温水洗浄》でご縁をいただいたケルヒャー松浦さんから、「生コン車のドラム内はつりにお困りじゃないですか?」というご提案。定価ベースで220万円というその装置。確かに、重たいピッカーでの重作業が軽作業に変身するならそれに越したことはない。検証に入る。
重たいピッカーが水噴射ノズルに変わるなら
生コンポータル核弾頭こと遠藤肇が徐にドラムのマンホール蓋を開ける。
素手でも開けられるが、今回は道具を使用した。
ドラム内部の様子。
「あんまし付着してない」
遠藤肇の鬼のような管理のもと基本全てのドラム内部は清潔に保たれているため、デモには不向きではあったが多少ついている付着コンクリートはきちんと水圧ではつれるかくらいはわかるはずだ。
出ました、水はつりマシン(ケルヒャー)。
こいつが作り出す高水圧噴射がコンクリートをがっつりはつるという。
事業パートナー野村商店の野村勝也さん(代表取締役)もそのデモンストレーションに駆けつけてくれた。
ウォーミングアップ中のケルヒャー松浦担当。
「宮本さん、ドイツ、連れてってもらえるんでしょうね?」
メガネの奥で自信の程をのぞかせる松浦担当。
それも、そのはずだ。
従来にも高圧水で自動的にはつるマシンはあった。
スギノマシンと白石建設が共同開発の末に生み出した全自動はつり機、その名も「ツキジマシン」。
ツキジマシンはノズルが自動的にドラムの中で往来し高圧水が同じくドラム内部の付着コンクリートをはつりとる。
ツキジマシン vs ケルヒャー
この分野はいわば「草刈り場」。
重労働「手ばつり」は生コン産業が抱える闇と言っても過言ではない。
僕自身経験がある。
真夏。
ドラム内部はサウナのように高温になっている。
その中にツナギで全身を覆った状態でマスクをして入り込む。
手には重たいピッカーだ。
削られたコンクリートの粉塵や砕くコンクリートの轟音がドラム内部を満たす。
そんな中で大人2〜3人が作業をする。
5分で手の感覚がなくなってくる。
働き方改革のこの時代、若者がこんな産業を選ぶだろうか。
そう、ツキジマシンもケルヒャーも時代が求めているテクノロジーといえる。
雑草を皆殺しにした松浦君、今度はコンクリートに襲いかかる。
⚫︎参考記事: 《温水除草》「雑草の阿鼻叫喚が聞こえてきそうなくらいだ」ケルヒャー
はつり出された付着コンクリートの残骸。
「で、どうだったの?」水手ばつりの効果
@Mitsuya Miyamoto
デモ終了しました。
ピック等で削るくらいは削れると思いますがドラムの中に人が入っての作業になると問題があるかと。
水の跳ね返りに細かいカスが混じって飛んであるくる。
全身シャワーを浴びた位にビシャビシャになる。
狭い場所での作業で水圧が凄いので足に当たった場合怪我をする可能性がある。
人が中に入らない状態での検討をしていく必要があると思います。
例えばガンのノズルを長くして外からやるとか。
(遠藤肇報告)
「ガンのノズルを長くして外からやる」
どうも、遠藤さんのコメントだと「やる」が「殺る」に見えてきてならない。
まあ、真面目な話、生コン実務者の視点から言えば「すぐに買いましょう!」という感じにはならないようだった。
多少の修正は必要のようだ。
生コンポータルは現在国内429の生コン工場との接点がある。
主に透水性コンクリートを軸とした連携だが、その工場ら全てはこのドラム内はつりに苦しんでいると言っていい。
そんな彼らとまたぞろプロジェクトチームを作ってみる。
「これなら、買いだね!」
というところまでこのチャンスを磨き込んでいく。
松浦担当にそのお手伝いをしてもらう。
ケルヒャーとしてもまたとない共同開発のチャンスなのではないだろうか。
プロダクトアウト、マーケットイン、という言葉があるが、商品というものは一方的に押し付けるものではなく、実際に使う人たちと共にアジャイルに作り込んでいくものだ。
生コン産業はみんなはつりに困っている。
松浦担当はきっとそんな生コン業界にもソリューションを届けてくれるのではないか。
そして、ドイツ行きの切符を手に入れるのではないだろうか。
ここから始まる水手ばつりプロジェクト With ケルヒャー。
いろんなテクノロジーが競い合って、より良い働く環境が創造される。
それでこそ、若者や才能に選ばれる生コン産業だ。
宮本充也