2019/11/10
【北海道】「どうせなら10年目の既存擁壁の見た目に調和するように」CB、打ち放しペイント、エイジング

もともと既存コンクリート擁壁撤去と新設の依頼にCBRC(CBに打ち放しペイントを施す)を逆提案で採用。「どうせなら10年目の既存擁壁の見た目(雨垂れ、汚れ)に調和するように」と、エイジング塗装にも挑戦。
施工:タケザワウォール
雨だれ、汚れをわざと作るエイジングという技法
タケザワウォールに寄せられた要望は既存壁の撤去。
そして、新しい擁壁を設置というものだった。
今回提案したのはこれ!
CBRC工法とは、CB(コンクリートブロック)をRC(鉄筋コンクリート)打ち放しに見せる技法。
撤去後CBを設置。
コンクリート擁壁に比べて設置時間は大幅に短縮できる。
施工After。
打ち放しペイントをほどこし完成。
今回特筆すべきは手前既存擁壁の汚れ(10年目)に合わせて新設CBRCにエイジングを施したこと。
新旧がくっきりしすぎると一方が浮いてしまいしっくりこないということがある。
さすがはタケザワウォール。
社名に「ウォール」とついているだけに、壁に対してのこだわりは強い。
提案もずば抜けている。
新しい壁をわざと汚すという提案。
こうした案件はよほどでなければ生まれない。
・ハイセンスな施主
・技術力と対話力をもった施工者
どちらも欠けてしまっては成り立たない物件と言っていい。
こうしたお施主さんや施工者さんが増えればきっと日本の景色はもっと美しくなると思う。
古びた、汚れた、粗野な。
そんな様子に美を見出す。
「工業製品に見られる金太郎飴のようなどこを切り取っても同じ」
そんな有様を望む施主ならこんな壁は許さないはず。
「なんでもいいから灰色のペンキできちんと塗りたくって頂戴!」
と一蹴されてしまうだろう。
コンクリートが持つ本来の雑味は喜ばれない。
ひび割れや色むらなどもってのほかだろう。
打ち放しペイントはコンクリートの再成長寿命化で美しいサステナブル社会に貢献する。
生コンポータルが提供すること。
宮本充也