長岡生コンクリート

2017/05/05

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「どうして顧客は生コン工場からモノを買うのか」 新規事業・生コン・GNN

「どうして顧客は生コン工場からモノを買うのか」 新規事業・生コン・GNN

新規事業を成功させるコツがあるとしたら、

成功するまでやめない

砂漠の祈祷師

という有名な話がある。

「100%雨を降らせる祈祷師」

そのオチはなんと、

「雨が降るまでやめない」

という単純なもの。


かくいう僕は成功した(っぽい)新規事業の話ばかりを紹介しているから、

まるで新規事業任せとけみたいなキャラのように見せているっぽいが、

実はありとあらゆる新規事業を失敗に終わらせている。

成功したりしなかったりはとても紙一重なもので、

未だに続けている事業とそうでない事業の違いについて、

実は明確な分析を持っているわけではない。


そして、コンクリート色合わせ補修という事業。

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11年続いているからまあ一定の成功を収めたといっていいだろう。

成功要因を上げようと思えばいくらでも上がる。

生コン工場における新規事業として成功しやすい要因として、

・生コン工場は施工不良の問い合わせを寄せられやすい

・身近なコンクリートの専門家として日頃から接点がある

・生コン屋は生コンを収めているから打ち放しコンクリートの情報を集めやすい

代表的な要因は上記のようなところだが、

はっきり言ってこじ付けみたいなもので、

失敗した事業群も上記のようにしかるべき要因はそろっていて、

それでもいつの間にかお蔵入り(やめちゃう)事業というのは実に不思議なものである。


色合わせ補修を新事業として始めたきっかけは、

11年前にMCファインという製品に出会ったこと。

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最初に古ぼけたコンクリート片(かけらのサンプル)にかけられた水が、

ガラコのようにぱらぱらと表面を伝っていったのを見たとき、

僕の中で「これだ!」みたいな感激があった。


生コン本業を補完する事業を強く求めていたこともあり、

胸の高鳴りを抑えられないまま「この商品いける!」みたいな感じで、

取引先を中心に売り込みを開始した直後に現実を知ることになる。

「顧客は商品ではなく関係性を欲しがっている」

ということ。

MCファインのような製品は品質の高低はあるものの、

顧客から見ればどれもこれも一緒。

だから、普段生コン打設の時にしか姿を現さない僕からよりも、

当然普段から現場を共有している塗装業者や左官工の推薦される、

そんなどこかのコンクリート保護材に軍配があがる。


そこで、と長岡生コンは考えた。

生コン打設の時にしか姿を現せない存在ではなく、

できるだけ現場監督さんとの時間を長く共有できるありかた。

モノを売り込むのではなくて、

現場を共有することを価値として提供できるありかた。

その結果が、

コンクリート打ち放し補修(RCトータルサポート)

だった。


その後も実にいろいろなことがあったけど、

結果として残ったのはモノ(製品・MCファイン)ではなくて、

現場を共有することという価値→RCトータルサポート

モノではなくコト

となっている。


ここには実は真理が隠されているように思う。

モノならAmazonで買えばよい。

未だに残っている事業のすべての底流にそれがあるように思う。

商社活動だったら僕たちがやる意味がないのだ。

なぜ、僕たちの顧客は長岡生コンからモノを買うのか。

なぜ、全国の顧客は、その土地の生コン工場からモノを買うのか。

(※GNN全国生コンアライアンスを利用した事業モデル)


僕たちは生コン屋。

顧客が生コン屋からモノを購入する理由。

モノを買うだけなら生コン屋から買う必要はない。

生コン屋から買う理由があるからモノが売れていく。

生コン屋と共有する時間や場(コト)がものが売れる理由。


漫然と何も考えず顧客を見つめずにモノを売り続けていたら、

コンビニやAmazonのように進取のビジネスに駆逐されていくことだろう。

建設資材とて例外ではない。

その予兆はすでに起き始めている。


僕たちが販売しているモノは、

生コン屋であるがゆえに光るモノたち。

だから、新規事業をしていくうえで大切なのは、

新に対しての旧→生コン

枝葉(新)に対しての根っこ→生コン

生コン屋であることのアイデンティティをしっかりと位置付けた上で、

何事にも当たらなければならないのだと思う。


新規事業がうまく行きました。

本業やめちゃいました。

根無し草になってはならない。

何のための新規事業で、

どうして顧客は生コン工場からモノを買うのか。

これから来るべき事業に関しても、

こうした判断基準を忘れずにあたりたいと思う。


宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士