2016/10/30
「絶滅?!打ちっ放しコンクリート」裸みたいな洋服

打ちっ放しコンクリート建築は建てられなくなるそうだ。
二度見、
という現象があるが、
一旦「はあ、そうですか」と納得しかけて、
その後、
「なぬ??!」
と、その衝撃に驚く。
「打ちっ放しコンクリート建築は建てられなくなるそうだ」
は、二度見してしまわないだろうか?
・日本人がこよなく愛する建築技法
・仕上げであり機能材である
・自然素材の偶然の産物
安藤忠雄建築で飛躍的に認知された、
打ちっ放しコンクリート
という技法が、今絶滅の危機に晒されているという。
※エネルギーの使用の合理化に関する法律(住宅・建築物関係)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk4_000005.html
根拠となる法律は上記となるが、
専門的すぎてなじまないだろう。
要は建物の熱効率(断熱性)を向上させるために、
「外断熱工法の利用が促進される」
ということ。
外断熱工法
も、一般には浸透していないだろう。
つまり、
鉄筋コンクリート造でできている建物の断熱性を高めるために、
断熱材を部材の外側(外壁側)に設置することが義務付けられる。
ここまで書けば、ご理解が進んできただろうか?
つまり、
「構造部材はそのままの状態で晒されることがなくなる」
=
「打ちっ放しコンクリート仕上げが事実上困難となる」
まだ、決定的ではないにしろ、この法改正の影響は大きい。
ただでさえ、
「打ちっ放しコンクリートの建物は高級」
と認識されているのに、こうなるともはや一般人では全く手が出ない建築物、
つまり、天然記念物(=絶滅危惧種)になってしまう。
ただ、外断熱はとても優れた断熱工法であるから、
エネルギー効率が向上することによる社会的価値も大きい。
法律とは社会をとらえて変化をしていくから、
こうした変化も仕方ないのかもしれない。
だから、
「打ちっ放しコンクリートよ、さようなら。」
となっては芸がない。
人の可能性やInnovationは、
そうした変化を真正面からとらえて、
更なる革新を技術にあたえる。
僕たちが10年来取り組んでいる、
「打ちっ放し仕上げ」→意匠化粧材(※協力フッコー社)
であれば、外断熱の外に打ちっ放し仕上げを再現できる。
ここでも、二度見をしていただきたい。
外断熱の外に打ちっ放し仕上げを再現できる
まるで、
「裸がだめだから洋服を着たけど、その洋服が裸みたいな洋服」
という、一見とんちんかんな話だけれど、
打ちっ放し外断熱工法
を、僕たちは技術的に可能としている。
これまでも紹介してきたように、
僕たちの「打ちっ放し仕上げ表現」は、下地を選ばない。
・車の外装でも
・石膏ボードでも
・ガラスの上でも
・ブロック塀でも
打ちっ放しコンクリートが再現できる。
当然、
・外断熱の上だって
打ちっ放しが可能となる。
そして、クオリティーだって半端ではない。
「わたしは本物しか認ない。ワイフもそう言っている。」
と言ってそうな髭の建築家の方にだって見破ることのできない、
本物のクオリティを満足する。
変化は結構大変。
だけど、変化するから成長が見込める。
僕たちの技術は苦節10年ようやく多くの彫琢を経て本物の価値を発揮しようとしている。
今後本件については折に触れてフッコーやASJとのコラボレーションの中で、
進捗を報告していきたいと思う。
かなり大きなInnovationの予感を感じている。
https://www.nr-mix.co.jp/rc/index.html
フッコー https://www.fukko-japan.com/
宮本充也