2017/07/08
「生コン工場のペルソナ」 色合わせ・コンクリート・打ち放し

誰に届けたいのか。
当社長岡生コンは50年以上地元で生コンを鬻いできた。
10年ほど前から社内起業というか、
低迷するだろう生コン本業を強く補完する事業
を模索して新規事業群を物色し始めた。
あれこれ手を尽くして結果今残っているのは、
・透水性コンクリート
・再生リサイクルコンクリート(残コン処理)
(・流動化処理土LSS)
そして、
・コンクリート打ち放し色合わせ補修
となっている。
誰に届けたいのか?
ペルソナ設定
という言葉がマーケティング用語であって、
「顧客は誰か?」
という問いかけである。
生コン工場が社内起業をして最初に始めたのは、
営業(セールス)
とにかく見込みとなりそうなところ総当たり。
・発注機関(国、県、市、町)
・設計事務所
・建設コンサル
・大手ゼネコン
・地方ゼネコン
・造園会社
・エクステリア会社
・道路会社
・塗装、左官業者
・ハウスメーカー
・地方工務店
・小規模建設事業者
ありとあらゆるところに飛び込み営業をかけた。
非常に面白いもので結果的に物事はあるべき姿に収れんされていく。
顧客もそうだけれど製品もありとあらゆるものを手掛けた。
そして、結果いくつも消えていく。
(Recycle、Reuse、Eco、Sustainableなど時代の要請に沿ったものだけが残った)
それと同じように顧客(ペルソナ)もようやく明確に輪郭を現した。
僕たちの顧客
それは、大手ゼネコンでも設計コンサルでも大手道路会社でもなく、
結果論から言えば非常にさもありなんではあるのだけれど、
50年来生コン工場として向き合ってきた顧客。
それが、新規事業においても、顧客だった。
「小規模建設事業者」
(パパママ建設といったりする)
だった。
生コン工場は全国に存在する。
水の次に流通する材料
といわれるだけあってその利用者のすそ野は広い。
上記顧客類型すべてが何らかの関係を持つ。
中でも、
小規模建設事業者
は件数の上では最も多い顧客となる。
彼らはどこかの資本に属しているわけでもなく、
星の数ほど全国に散在している。
(その多くは法人とならず個人で営業している)
様々な生コン工場の在り方があると思うけれど、
当社長岡生コンはこうした小規模建設事業者を大切にしてきた生コン工場だ。
今、透水性コンクリートも、再生骨材コンクリート(残コン処理)も、
結果としてペルソナは従来のペルソナに帰着しようとしている。
営業したてのころ規模が大きい大手ゼネコンや大手道路会社を追いかけた。
もちろん無駄ではなかった。
人脈やネットワークという意味ではいい勉強をさせてもらった。
ただ、彼らは、僕たちの顧客ではなかった。
結果としてエクステリア・外構業者さんのような小規模建設事業者が、
もっとも僕たちの価値を認めてくださった。
(大規模建設業者とのネットワークのおかげで、そんな小規模建設業者さんへ仕事をご提供することができることもある。これは、大規模建設業者は「顧客」ではなく「顧客を満足させるための手段」だったといえる)
誰に届けたいのか?
改めてこの問いについて考えたい。
・コンクリート打ち放し色合わせ補修
この事業についても実は答えは明確なのかもしれない。
数字を追う意味では大手ゼネコンまたは高級住宅のビルダー、設計事務所、など大規模事業者への展開が一見合理的に見える。
ただ、実はこれらも同様に「単なる手段」なのかもしれない。
本当の顧客は、小規模事業者、なのだろう。
コンクリート色合わせ
を本当に必要としている人たちは、
全国に無数に散らばっている小規模事業者。
その大半は、「コンクリート色合わせ」の存在すら知らない。
(※参考ブログ「ガーデニング、エクステリア、外構、造園」)
そんな小規模事業者だったりする。
透水性コンクリートが小規模事業者にとって、
「差別化」
「新事業」
のきっかけや、
「夕方から打設できる土間コン」
「クレームになりにくい」
「きめの細かい対応」
など、小規模事業者から求められている価値を提供しているように。
コンクリート色合わせ補修も、
「補修緊急対応」
「意匠性保持」
はもちろんのこと、
「新事業」
のきっかけや、
「暇なときの副業」
など、小規模事業者から求められている価値を提供できるのかもしれない。
透水性コンクリート同様、
そんな小規模事業者がGNN工場をハブとしてネットワーク化していければ、
大規模建設会社(道路会社)の案件への施工体制と位置付けて、
全国の小規模事業者に仕事や適正な評価の機会を提供できる。
生コン工場にとっての新規事業。
紆余曲折あったけれど、
しかるべき形に収束してきた。
生コン工場の新規事業のペルソナはやっぱり、
生コン工場のペルソナだったのだ。