2018/04/15
「髪の毛一本が落ちた|ひび割れ」

コンクリート構造物につきものの「ひびわれ」。見た目はとってもよくないけれど、そのひび割れってそれほど気にするべきものなの?身近な専門家生コン屋さんに相談してみよう。
クラック補修。外構土留壁に発生したクラックの補修。クラック幅は0.2mmに満たないもの(無害)だが、念のためと、いうことで施工。約20万円の工事です。
クラックに関する適正な知識を普及させる必要がある。
クラックをいちいち気にするという行為。
掃除した後にぴかぴかになった床に、
髪の毛が1本落ちた
ことを気にするくらいの意味合いである。
基本、問題ないのである。
コンクリートはひび割れがつきもの。
その点の理解を普及させる必要がある。
コンクリートは乾燥と収縮を繰り返すわけだから、
ひび割れは目に見えないものを含めれば実は無数に発生している。
もちろん有害なひび割れはある。
それは適切に処理されるべきもの。
ただ、一般に0.2mm以下は大丈夫。
さて、ひび割れ。
それでも気になるのは見た目。
なんか、ひびに対して人間は根源的な恐怖を持っているような気がする。
例えばその建物を1000年使うというふうに決めている。
みたいな条件だったら。
ちょっとしたひび割れも看過できない。
これはわかる。
だから、そうしたひび割れが起きないコンクリート構造物を作ることは技術的には可能だとする。
ただ、コストパフォーマンスを考えてみたらわかる。
1000年後。
その建物の価値がどうなっているかわからない。
バランスというもんがある。
ひび割れで感情に火がつく施主が多いという理由で何でもかんでも受身に回っていいというもんでもないと思う。
(これは僕が実際にお施主さんと接していないことによる甘えかもしれないが)
ひび割れは起きるもんだ。
それはきちんと理屈立てて説明し、
対話を通していい住まい作るための知識を蓄える。
それが僕は技術者の使命だと思う。
何でもかんでもお施主さんにへこへこしていう通りにする。
それは結果的にお施主さんにとってのいい住まいを提供することになるのだろうか?
僕はそうは思わない。
お施主さんは悪いけど素人なのだ。
長年ものづくりに携わってきた技術者としての誇りを持とう。
閑話休題。
多くのひび割れはそれほど問題ではない。
目くじらを立てたり、
揉め事になる前に。
一度相談をしてほしい。
身近に必ず生コン工場があるはず。
そこには技術者がいる。
その技術者に聞いてみてほしい。
ひび割れ、問題ありますか?
優良工事店さんなら必ず位事前にひび割れなどの懸念は説明する。
ひび割れは問題じゃない。
生コンポータルではこれからも適正なコンクリートについての知識を発信していきたいと思う。
生コンでいいこと。
宮本充也