2018/10/23
「隠してたらいつまでたっても進歩がない【色合わせ】誰に頼めばいいの?」

建築業界ではそこそこ名前は知れてるかもしれないけど、一度当事者(打ち肌に不具合発生)になっても「誰に頼んだらいいかわからない」。若く人脈もない監督さんなんかはそのことに責任を感じて会社を辞めちゃうなんてことも。「誰に頼めばいいの?」。これは切実な問いかけ。
隠してたらいつまでたっても進歩がない
絵を描いたことがない人っているだろうか。
歌を歌ったことがない人は?
絵画や音楽。
それは一般のあらゆる人たちが【知って】いる。
中には自分で絵を書いたり歌を歌ったりすることが趣味の人たちだっている。
だからといって、歌姫の美声が霞むことにはならないし、巨匠の筆が鈍るということではない。
誰もが絵を書いたり、音楽を奏でるから。
だから、その分野をリードするトップアーティストがますます輝く。
その分野のその技が多くの人々を魅了すればするほど、
その分野はますます輝いていく。
そしてそれに憧れて多くの才能が流入し、
ますますその分野は栄華を極める。
それが真理のはずだ。
※この擁壁のように見える壁。よく見ると「ブロック塀」であることがわかる。
※本来コンクリート補修などで活躍する「色合わせ」という技術を駆使してブロック塀を加工していく。
※するとそのブロック塀は接写しても見まごうほどに打ち放しコンクリートに見える。写真はプログラム参加者に描いてもらったもの。
※合計5名の参加者で共作した打ち放しブロック塀工法のサンプルは富山県にあるあづまコンクリートに設置されている。
門外不出の色合わせ?
この分野でまだ駆け出しだった頃。
「色合わせは門外不出。一部の【特別な】人たちの手による技術」
とされていた。
事実、その職人さんの作業は建築現場の中でホロで隠されたり。
撮影や盗み見を強く拒絶していたケースを何度も見た。
門外不出。
誰にも教えない。
そして、それは「知られない」という現象を生み出し、必要としている人たちにとっても、それができる人たちにとっても不幸を生み出してきた。
「不明瞭会計」
これが、打ち放し色合わせに対する建築関係者の評価だ。
非常に評判が悪い。
「二人くらいで遠くから来て、ちょこちょこっと作業して300,000円請求されちゃったよ。2度と頼むか!」
憤る建設関係者もいる。
絵画や音楽のトップが輝くように。
「誰にも真似できません。だから、見せても全然構わない」
5年ほど前から共同を開始したパートナー伊喜(いき)さん。
事実、彼の生み出すうづくりや杉板コンクリートの表面は、
専門家が間近で見てもそれが「描いたもの」であることがわからない。
むしろ、本物のコンクリートの打ち肌よりも迫力がある。
その彼の技術には多くの関心が寄せられている。
この人となら業界を変えていくことができるかも知れない。
そう確信できる出会いだった。
今、全国の生コン工場で【コンクリート打ち放し体験プログラム】を開催している。
これまで【門外不出】とされてきた技術をガラス張りにするプログラム。
多くの方々が参加される。
この活動を通して【色合わせ】が普通になる。
普通になることで、伊喜さんをはじめトップを走るクリエイターの技能は衰えるばかりかますます高まる。
輝く。
色合わせという分野に栄光がもたらされる。
その輪が広がることでこれまで誰に頼んだらいいかわからなかったものが、
もっと身近にもっと選べる需要家にとっても有難い存在になっていく。
不明瞭会計が明朗会計となり安心してコンクリート打設ができる。
補修が怖くない。
そんな業界。
生コンでいいことが届く業界。
「誰に頼んだらいいの?」
それは、この取り組みの先で消えてしまう質問となるだろう。
まずは、僕たちと一緒に。
生コンをもっといいことへ。
生コンでいいこと。
宮本充也