2019/03/20
「こんなんでよく検査通ったな」街角でたまに見かける【粗悪】な打ち放しペイント

街中を歩いているときに打ち放しコンクリートを仔細に眺めてみよう。けっこうある、粗悪な打ち放しペイント。素人目にはもしかしたら気づかないのかもしれないが、それにしても「こんなんでよく検査通ったな」。日本の打ち放しコンクリート文化クライシス。
打ち放しコンクリート文化クライシス
接写。これ、なんだと思う?
これは、ひどい。モッコン(セパ穴)がそのままなので恐らく打放しコンクリートを表現しようとしているのだろうか。
ひどすぎて絶句する。これは、日本の打放しコンクリート文化の危機だ。
今時、素人でもこんな施工しない。
まだ駆け出しの頃だ。
粗悪な打ち放し補修(打ち放しペイント)を納品して設計の先生の死ぬほど詰められたことがある。
「お前、バカにしてんのか。テニスボールに墨汁塗って壁打ちでもしたんか?あ?」
返す言葉もなかった。
中にはいるのだ。
とてつもない「センスのない」打ち放しペイントを納品してしまう職人さんが。
その日は夜中の10時に呼び出され現場事務所でたっぷり1時間ほど搾られた。
ちなみに、その搾ってくださった設計事務所は今は大のお得意さまであることを書き添えておこう。
そんな経験があったかこそ、今は品質の向上を遂げ、日本中に美しい打ち放しコンクリートを届けている。
文化形成の一端を担っている。
セミナー受講すればすぐにクリエイター。
生コンポータルではこの打ち放しペイントの技能講習を全国各地で展開している。
すぐに身につく。
自分にとっての最良の打ち放しコンクリートが再現できる。
打ち放しには正解はない。
かといって、冒頭に紹介したのは粗悪すぎるが。
究極、施主が「これが私の好きな打放しです」と主張すれば、
灰色の顔料でベタッと塗っただけの壁も打ち放しになる。
だから、100人いたら100人の打ち放しの正解がある。
ただ、恐らくは冒頭の打ち放しは発注者に適切な提案ができず、検査でも要件定義がきちんとできていなかったあまりいけてない施工者の仕業かと思われるが。
日本の街中の打ち放しをもっと綺麗に。
日本の打ち放しコンクリートの文化を再生しよう。
打ち放しは美しい。
美しい打ち放しの日本は美しい。
機能材であり仕上げ材である打ち放しコンクリート。
日本独自の文化として成長している打ち放しコンクリートを大切にしていこう。
打ち放しペイント。
これも、1つの生コンでいいこと。
宮本充也