2019/09/20
【スラッジ】「生コンスラッジでピンホールの補修?!」奇跡のコンクリート補修材

目ん玉が飛び出るという比喩があるが、まさか生コン工場で発生する廃棄物生コンスラッジがコンクリートのあばたやピンホールを補修する材料になるなんて誰が想像しただろう。それは現場の工夫で生まれた。
そもそも生コンスラッジって知ってる?
生コン工場で発生する厄介者「スラッジ」は残コンや洗浄排水などから発生する廃棄物。
処分費用は年々高騰し工場でこのように堆積してしまうケースもあり社会問題化している。
その生コンスラッジがなんと補修材となる。
生コン工場で生成したての生コンスラッジでピンホールを埋める。
補修直後は水分が抜けないため補修痕が目立っている。
乾くとこうなる。もはやどこにピンホールがあったかが分からない。
考えてみれば理にかなっている生コンスラッジの補修材利用。
スラッジは廃棄物。
処分するのに莫大な費用がかかる。
これが、生コン従事者がスラッジに向き合った場合の「囚われ」。
常識。
大前提。
みんな、困っている。
スラッジは厄介なもの。
その考え方から超越できない。
でも、余計な感情や前提を超越してしまって、スラッジってなに?という問いを立ててみる。
スラッジ。
・シルト(微粒分)
・セメント
・水
これが、成分だ。
生成直後のスラッジは言ってみればフレッシュモルタル。
それも、砂がきわめて細かいモルタル。
そりゃ、そのまま補修材になるに決まってる。
さらに、施工された生コンと同じ成分ときている。
つまり、補修した痕もコンクリートの色合いに近くなる。
だから、補修痕が目立たなくなる。
さらに、ピンホールなどを埋めた場合、既設コンクリートに水分を奪われる。
ということはつまり水セメント比が低下する。
強度は高くなることを意味する。
まさに、大発明。
地味だけど、すごい。
これは試験管の中で繰り返される実験やコンピュータでの分析の賜物ではない。
現場でのアイディアと実践から生まれた発明。
今後の展開から目が離せない。
宮本充也