2020/03/21
「なおすほどのものじゃなかったが他のところがきれいだったので」

打ち放しコンクリート建築の外壁打ちムラの見た目補修(色合わせ)現場。なおすほどのものじゃなかったが他のところがきれいだったので補修となった。通常のパネコート型枠であるためそれこそ「誰でも」補修できることはあまり知られていない。
なおすほどのものじゃなかったが他のところがきれいだったので補修
Beforeの肌を見てどう思うだろうか。
僕なら、全然気にならない。
なんなら「打ち放しコンクリートの特徴である偶然性」が見事に表現(偶然であるにせよ)されていてとても味のある打ち放しだね、くらいにしか思わない。
ポジティブに捉えられる。
ただ、こうしたちょっとした打ちムラの見た目の補修は「色合わせあるある」だったりする。
After写真のようにムラなく均一に色合わせ補修が施されることが多々ある。
色合わせあるある「やればやるほど気になる部分が増えてくる」
色合わせは道具と材料さえあれば初心者だってできる。
「最初は問題にすらなってなかった」
打ち放し建築。
特定の箇所に派手なコールドジョイントやジャンカが発生。
こりゃまずい!
てなことで僕たち生コンポータルにお声がかかることは多い。
初心者でも施工できるとはいえそこそこの規模になったり自分でできることをご存知ないかたからはこうした問い合わせをいただき受託している。
そして、最初問題になっていた箇所、
⚫︎コールドジョイント
⚫︎ジャンカ
がものの見事にきれいに見た目の補修が済む。
そこにジャンカやコールドジョイントがあったのが嘘だったように。
あたかも最初からなにもなかったかのような見事な打ち放しコンクリートが立ち現れる。
そして、次の瞬間、現場管理者やお施主さんは気になるのだ。
「あれ?他のところもちょっと気になるな・・・」
そう、緊急を要する問題部分がきれいになってしまうと、今度は全く問題となっていなかった箇所が「他のところがきれいになったので」気になるようになる。
そして、「こっちも色合わせして」となる。
これ、色合わせあるある。
受託金額が大きくなることは当方としては嫌な話というわけではないのだが、もしこちらを読んでくださっている方がいたらこうお伝えしたい。
「どうか、冷静になってください」
打ち放しコンクリートってそもそも荒々しいものですよね。
偶然性がそもそも好きだったから打ち放しコンクリート選んだんじゃなかったんですか?
冷静になりましょう。
他がきれいになったからって、そこもきれいにする必要なくないですか?
・・・・。
コンクリート色合わせ補修(見た目の補修)なんて仕事をやっているとこういったジレンマに陥ることがなくはない。
他がきれいになると、ここも気になる。
これ、際限ありません。
無間地獄になりがちです。
ほどほどのところで補修は終了にしておきましょう。
これについては色合わせ補修前にきちんとお施主さんに説明しておく必要がありますね。
生コンでいいことも、いいことすぎてしまっては、及ばざるが如し。
過ぎたるは及ばざるが如しということ。
宮本充也