2020/11/21
【静岡】「見えないものは存在していないのと同じこと」色合わせ補修

静岡県沼津市の住宅外壁に発生した色ムラと、基礎天端からのタレ痕です。基礎天端についてはかなり目立つ上に目線に近い高さだったため色合わせ補修が必要とななりました。(担当小松さんからの共有)。
究極見えなきゃ問題じゃない
基礎天端(てんば)からのタレ痕が目線の高さにありとても目立つため色合わせ補修。
外壁に発生した色むらは打設時のモルタルの充填具合や水分の蒸発散の加減から発生してしまうもの。
そもそも生コンクリートは天然資源を加工して石材にしているようなものなのでこうした見た目の不均一は不可避であるにもかかわらず、いつしか「完璧」を求められるようになってしまった。
対立する専門家と一般の見解>
https://www.nr-mix.co.jp/rc/blog/post_180.html
例えば、こんなひび割れ。
同じ質問。
「このひび割れ、問題ありますか?」
答えは一般の方、そして専門家、それぞれで異なる。
一般の人にとっては、
「ひび割れが見えること自体が問題であって、そんなものが出ないように気をつけて工事して頂戴」
と言いたいところだろう。
ただ、コンクリートに明るい人、専門家の見解は異なる。
「ひび割れは収縮や膨張を起こすコンクリートである以上不可避であって、完全に抑制することはできない。さらに、土間コンクリートであるため構造物ということでも0.2mmを超えないことからも無害なひび割れと言える」
両者の受け止め方は全然違う。
https://www.ex-shop.net/ex-blog/?p=21007
例えばこちらの透水性コンクリート舗装の表面をドアップした写真。
お分かりだろうか。
実は、その前に紹介した土間コンクリート同様ひび割れ(ヘアークラック)が発生している。
従来の土間コンクリートと違って水を通すための空隙を確保するためにペーストがほとんどない。
だから、髪の毛ほどの太さのヘアークラックは骨材の輪郭が浮き彫りとなる粗面の透水性コンクリートであれば発生しても見えない。
「あるけど、見えない。だから、問題にならない」
そもそもが、機能上ひび割れは問題とならないのだから、見えなければ問題になりようがない。
虫眼鏡を持ってきて「ほら!あるじゃん!!」なんてクレーム言う施主はもはやモンスターだ笑。
乱暴なようだが「見えないものは存在していないのと同じこと」ということになる。
そして、打ち放しコンクリートの評価。
不思議なもので、専門家の視点は強度とか耐久性といった性能に目が行きがち。
一方の一般は、「そんなの満足してて当然。さらに、美しさが重要」となってくる。
昔と違って理系の女の子や男の子はもうダサくない。
色々見た目やおしゃれに気を使っている節がある。
いいことだ。
理系の大学の研究室に入り浸って学業に没頭していることはもちろん立派だ。
強度や耐久性、あるいはコンクリートの知識に対する貪欲な習得は素晴らしい。
ただ、世界は、市場と顧客が求めているのは、もちろんそれらは当然のこととして、さらに見た目の美しさだったりするのだ。
おしゃれか、ダサいか。
それだけだったりするのだ。
そこに従来のむさい理系君では太刀打ちできない。
従来コンクリートの分野ではなかなか「美」が評価されることはなかった。
どちらかというと「チャラい」と下に見られてきたのではないか。
生コンポータルではドライテックとならび15年近い歴史を持つコンクリートの打ち肌の色合わせ補修。
性能上全く問題ないのだけれど、「目に入るから嫌」みたいな時のトラブルシューティング。
見た目を取り戻す色合わせ補修は、コンクリートの最成長寿命かで美しいサステナブル社会に貢献する。
世界は少しでも美しい方がいい。
そして、「美」は僕たち担い手ではなく、あくまでも市場と顧客が評判断する抽象概念だ。
現場でお施主さんから見た目の美しさで詰められている笑、全ての現場管理者や施工者らにこの知識を伝えたい。
喜びを届けられることを知っている。
宮本充也