2016/04/26
「コンクリートは二酸化炭素を減らします」中性化のポジティブ視点

・サステナブル社会
・環境負荷低減
・低炭素社会
建設業界だけでなく、一般に意義深い上記ワード。
余り知られていないことだが、
「コンクリートは二酸化炭素を減らします」
だからたくさんコンクリート買っちゃってください!!!
という短絡的なお話ではなく、
日本国内に100億立方メートル
と言われるコンクリート構造物は刻々と劣化しています。
劣化にはいくつかあって、
・塩害
・凍害
・化学的浸食
・摩耗
・疲労
・ASR(アルカリシリカ反応)
そして、(他にもあったかな)
・中性化
がある。
コンクリートはPH12~13の高いアルカリ性を示すことは一般にはあまり知られていないかもしれない。
鉄筋は酸性でさびてしまうため、アルカリ性雰囲気に包まれることで、錆びづらい、
よって鉄筋とコンクリートは「ミラクルコラボ」とよく言われる
だが、時間が経つにつれて、コンクリート表面は外気に触れてルートT則として知られるスピードで徐々に中性化される
その中性化されているエリアが深くなればなるほど、鉄筋はさびやすくなり、
鉄筋がさびると膨張する性質があるため、
山陽新幹線のコンクリート片剥落で話題になったように、
ぱかぱかと亀裂が入りマンションの壁とかが落下するのだ。
これが、負の部分。
だから、中性化が起きないように、僕たちはコンクリート表面に加工を施す。
打ちっ放し≠やりっぱなし
もし型枠を外したまま放置したら
5年もすればコンクリート表面は劣化していき、
お化け屋敷のようなお宅の完成となる。
よく見かけないだろうか?
最初は超おしゃれだったのに、数年たったら見る影もありません、みたいな建築
中性化が問題となるのは鉄筋コンクリートの場合だけであって、
無筋コンクリートと呼ばれる主に土木構造物となる鉄筋のないコンクリートの場合、
中性化は全く問題ないです。
問題がないばかりか、たくさん二酸化炭素と結合しますので、
「環境にいい!!!」
ここに注目して世に発信している人あんま見かけたことなかったので、
敢えてブログに書いてみた。
これをきちんと数字で把握して、
低炭素への貢献を提案とすることはできないだろうか。
・ポジティブ
・ネガティブ
は、見る視点からの話であって、
常に普遍的にポジティブ
ということはあり得ない。
なにごとも反対側から見れば全く違った価値が見えてくる、
そんな好例が、中性化、という一般に劣化と呼ばれる現象だ。
宮本充也