2016/05/06
「色合わせ補修という業態」ニチエー・吉田から始まった専門技術

そもそもコンクリートが一般によく知られていないわけだから、
「色合わせ補修」
と呼ばれる、「コンクリートの打ち肌の美容整形(補修痕を消す技術)」
など、一般の方々が知る由もない。
この技術はニチエー・吉田という会社(現木内建設グループ)が、
試行錯誤の末50年以上前に開発した技術。
浜松の地に生まれ、「色合わせ」の分野では、
結構なカリスマとなっている。
僕も静岡県民ということもあり、事業上の興味だけではなく、
その文化や組織にとても興味をもっていました。
コンクリートは生コンという半製品状態で納品されるため、
「とにかくトラブルが多い」
だけど、基本的にはその上から仕上げをしたり土で埋め戻したりしてしまうので、
そのトラブルが表面化することは少ない。
ただ、たまに、打ちっ放し建築などのように、
・浮造り表現
・普通べニア
・杉板本実
など、技巧を凝らした仕様を好んだ場合に、
「もろに表面がさらされる」
そもそもがマニアックな建設のコンクリートの分野で、
さらにマニアックな「コンクリート色合わせ」という業態は、
言葉を選ばずに言えば、「絶滅危惧種」といってよい。
なぜなら、これまでの説明から想像がつく通り、
「需要が偶発的」
であるため、「色合わせ業者ござい」がなかなか通用しない。
・そもそもマニアックな打ちっ放しコンクリートの、
・さらにマニアックな色合わせの需要
が発生するまで、辛抱強く待っていられないからだ。
では、なぜ、当社長岡生コンはその事業を継続できているか、
継続だけではなく、これまで以上に普及・拡大に成功し、
さらには、「人手が足りないくらい」に支持をいただいているのか。
それは、僕たちが、
「生コン業者」
であることと、
さらには、その生コン業のアライアンスで「色合わせ」という付加価値を、
ローカルの一般的な建設現場にまで価値を発信しているから
色合わせ補修は実に素晴らしい技術でありながら、
それが人口に膾炙しなかった理由ははっきりしている。
僕たちは10年かけて市場を開拓してきた。
そして、それを独占しようなどとは一切思っていない。
市場が見つからずに困っている色合わせ専門業者がいるのなら、
ぜひこの市場を提供して、互いに適正に評価されたい。
これまでの縦型硬直型の産業構造ではなかなか評価されてこなかった、
そんな業態はきっと日本全国に数多くあるはず。
僕たちが培ってきた専門的知見をITに載せて、
コンクリートを通して多くの人々がハッピーになれると信じている。
宮本充也