2016/09/02
「街並みを見つめる」塀のシェア

趣味と呼べるかどうかわからないが、
このところ毎日5㎞以上を㎞/5分前半のペースで走るようにしている。
炭平コーポレーションの鷲澤社長に影響を受けて、
最初は走り始めに走らない理由をたくさん考えながら、
それでも無理に自分の体を動かして雨の日でも、
玄関から外へ出て走り始めてしまう。
1㎞超すまではかなり体に負荷を感じるものの、
それ以上になると体がふとかるくなり息も苦しくなくなる。
仕事で出張も多いが以前はぎりぎりまでベッドにしがみついていたが、
今はできるだけ早く起きてあてどなく見知らぬ街を走るようにしている。
首里城
を目指してかなり急な坂道を本州とは趣の異なる街並みを楽しみながら、
往復で8㎞今朝も走った。
沖縄独特の空気に触れることができてとても有意義な朝をすごすことができた
街の雰囲気というものがある。
僕の住む伊豆の国市やイタリアのベネチア、東京のビル群。
それぞれにそれぞれの特別な雰囲気というものがある。
その裏側には人々の暮らしがあって、それらの結果として、
雰囲気
という不定形な形になって表出している。
構成要素を考えてみると、
・温度
・湿度
・景色
・におい
・人
etc
昔住んでいた街や旅で訪ねた地域の特別な雰囲気が忘れられない。
そんなことがあるだろう。
冷静に景色を考えてみると、
・地面
・壁
・建物
・空
がもっとも視界をシェアする要因となる。
沖縄首里城周辺のように新しくないけれど古びてとても素敵な雰囲気もある。
これはおそらく石が基調となっている街並みだからといえる。
写真のような石畳の舗装と塀はなんともいえない雰囲気を発する。
CB→コンクリートブロック
という便利な建材がある。
きっと誰しも無意識に何度も目の中に入れている材料。
これ、とても便利で建物内部の間仕切りや塀などに利用されるもの。
もっともポピュラーな用途としては、
「庭の塀」
に、ほとんど100%利用されているもの。
予算にもよるけれども、通常は塗り壁(マヂックコート)とかタイルで表面を仕上げられ、
その家の顔といってよい雰囲気を産み出す。
ベース(コンクリート)の上にただモルタルで接着させながらくみ上げていくだけなので、
極端に言えば素人の方だって塀を作ることだって可能。
この、CB、
とても汚れやすいことで知られている。
製品工場というコンクリート製造工場で生産され建築現場に配送されて組まれる。
このCBは表面が粗面で水が浸入しやすく、そこに、
カビ・コケ
が繁茂してしまうことによってあっという間に写真のように汚れてしまう。
石が汚れていくのと違って、コンクリートは残念ながら
「人が造ったもの」
ため、自然石のように素敵にふるびてくれることはない。
景観全体を古ぼけたお化け屋敷のように、
「朽ち果てた雰囲気」
を発露させてしまうことに貢献する。
これは、コンクリート製造者の一人といてとても嫌なことだし、
よく見かけるCB塀の総和がその街の雰囲気に大きな影響を与えることがわかっているなら、
なんとか改善したいとも思う。
最近では含侵材といってコンクリートそのものが水を吸い込まない、
→汚れない
という技術革新も生まれている。
https://www.fukko-japan.com/nano_silicone/nano_silicone.html
水が浸入しなければコケやカビも生育できないという原理を応用している。
また、仮に汚れてしまったCBでも、当社のサービスのように、
(金沢生コン試験室内間仕切り)
わかりにくいかもしれないけど、表面にコンクリート打ちっ放しを施すこともできる。
コンクリートが自然を愛する人たちに嫌われる理由はよくわかるけど、
自然の猛威から人々を守り続けてきたからこそ現代は、
「水の次に流通する材料」
としてのポジションを得ているのも事実だと思っている。
コンクリートが街並みと調和できるようにするのも、
僕たちコンクリート製造者の使命のうちの一つである。
宮本充也