2016/10/07
「世界遺産の美について」ねぇ、あたしって美しい?

なんか最近世界遺産登録づいていると思う。
少し前だけど、富士山が世界遺産にようやく認められた。
これまでは自然系のものが登録されていた風に思うが、
ここ最近は文化を伝承する建造物なども世界遺産に登録されたりして、
わが町伊豆の国市の反射炉なんかもその一つ。
つまり、建築物も世界遺産になる時代になったってことだ。
コルビジェという建築家がいた。
(僕が一番好きなコルビジェの設計した建築物)
言うまでもなく超有名な建築家なんだけれど、この人が日本で建物も今年世界遺産に登録された。
(上野にある国立西洋美術館)
ご存じの方もいると思うが、この建物には杉板模様の打ちっ放しが採用されている。
杉板模様の打ちっ放しというのは、型枠に杉板を使用したもので、
打ちっ放しの中でも高級グレードとされる表現となっている。
そういえば以前も軍艦島のコンクリート構造物も世界遺産に登録されているし、
これからもこうした近代建築が遺産として見直されるムーブメントは高まるだろう。
さて、こうしたコンクリート建築物。
やっぱり放っておけば朽ち果てる。
鉄筋コンクリートである以上定期的なメンテナンスをしなければなるまいし、
補修補強が必要になる。
ここで、一つ疑問なんだけれど、
世界遺産を補修したあと、どうするのだろうか?
補修をすると、こんななる。
つまり、
「見た目がいけてなくなる」
ってことになる。
そこで、RCトータルサポート(色合わせ補修)の登場なんだけど、
おそらくすべてのコンクリート色合わせ補修の目的は、
「きれいにすること」
だろう。
通常の建築のお施主さんは、
せっかく創った新築の打ちっ放しにできた補修痕を、
ばっちり隠して新品ぴっかぴかを望んでいるわけだから、
供給者が美を求めるのは当然。
はて、
歴史的建造物がものすごくぴっかぴか新品超きれいになったらどうか?
朽ち果てていく美しさの世界遺産がある日突然びっかびかの新品同様の打ちっ放しになる。
幻滅ではないだろうか?
時代の移り変わりを感じるが、
打ちっ放しコンクリートは日本では独特の進化を遂げてきている。
そもそも日本は自然とまじりあう文化。
支配しようとするより共生しようとすることが日本の感覚。
コンクリート打ちっ放しもやはり時代の移ろいに沿ってそれなりにすすけていく。
ぼけていく。
汚くなっていく。
そして、それが美となる。
今日はそんなテーマでビジネスパートナーのイキリペアさんや株式会社麻生さんと、
「古ければ古いなりの補修痕に対しての色合わせ補修」
について可能性を探ることになっている。
調査のため斫った(はつった)箇所を、古くなったコンクリート表面に合わせて補修している。
美とは人それぞれ。
人それぞれ美しいと思うものが違って当然。
「げ、なんであんな美人があんなぶ男と付き合ってんの?超うらやましい」
ってことがあるのと一緒。
美においてそんな特徴を持つ我が国のコンクリート打ちっ放しにおいて、
独特の進化を遂げたコンクリート打ちっ放しの特殊補修。
その第一人者であるイキリペアの伊喜さんと、
コンクリート業界ではトップ企業である麻生の平山さん、
そして、GNNのネットワークや、長岡生コンの小松と僕がコラボレーションすることで、
新しい時代の新しい美を追求する新しいコンクリート補修が生まれようとしている。
北斗の拳のユダを覚えているだろうか?
「ねぇ、あたしって美しい?」
と質問してたじたじになっている男を八つ裂きにするという非常に変態なキャラクター。
ただ単純に思い出しただけ。
そんな、コンクリート補修に興味関心がある人はぜひこのプロジェクトに参加してほしい。
「ねぇ、あたしって美しい?」
宮本充也