長岡生コンクリート

2015/10/15

恋人も鞄も車も家もコンクリートも」身近なお手軽エコ活動

キーワード→コンクリート・メンテナンス・美観維持・供用期間延命化
 
大量生産大量消費時代の終焉は多くの分野で話題となっているように、私たちが身を置くコンクリートの分野でも長寿命化・維持・延命化に関する研究が発展しています。
恋人も鞄も車も家も、最初はとっても大切にして「幾久しくお幸せに」なんて気持ちでいるわけですが、月日は残酷にもその想いをいつのまにか消してしまい、現実に残るのはコンクリート構造物の場合コケ・カビ・アクがコンクリート表面を汚く覆ってしまい、住宅の場合はまるで「お化け(屋敷)のような」外観だったりするわけです。
建築家の安藤忠雄氏の建築表現で有名な打ちっ放しコンクリート。コンクリートは「機能と意匠を併せ持つ唯一の材料」と言われるようにコンクリートの迫力を最も楽しめる普遍的な魅力を有しているのですが、竣工当初の「わあ、すてき」も積み重なる時間の経過の中で徐々に汚れていきそのうち誰にも見向きされなくなり、いじけていつのまにか解体されていきます。「あれ?ここ何が建ってたっけ?」なんてことよくあるのではないでしょうか。
閑話休題。今現在日本国内には一体何m3のコンクリートが存在しているかご存知でしょうか。正確な統計は得られていないものの推計10,000,000,000m3とも言われ、日本人は一年で平均1m3のコンクリートを使用していると言われています。ざっくり日本人一人当たりにつき100m3人生で使用している計算になりますが、これがいかに膨大な量かはなかなか想像つきません。
ただ、考えてみると普段の暮らしでコンクリートを見ない日なんてないはずで、目を覚ます家、外へ出る玄関、バス停までの道、会社までの道路、会社、いたるところはコンクリートで支えられていて、「水の次に使われている」と言われるほど私たちの生活に溶け込み、そして忘れてはならないのがそれら1m3ずつのコンクリートそれぞれに「寿命があること」です。
コンクリート構造物の平均寿命は50年と言われます。それら生活に溶け込んだコンクリートは50年経つと人知れず取り壊され、運ばれ、砕かれ、再利用される。その過程でやはり膨大なCO2が発生する。
長く大切に使うことは日本人の美徳として位置付けられているはずですが、ご自身が大切になさっているご自宅や周辺環境に必ず利用されているコンクリートに一度目を向けると、実は「水を汚さない工夫」の次に「コンクリートを大切にする工夫」が地球環境に貢献できるってこと。
生コン製造の現場では長期耐久の観点から様々な技術革新が生まれていますが、コンクリートの大半はもう出来上がってしまっているもの。延命化・超寿命化の歴史は浅くこれからの技術革新が待たれますが、「長持ちさせるための秘訣」は実はそれほど難しいことではなく、普段恋人や鞄や車や家に対して向けるべき少しの配慮と同じです。目をかけていればいつまでも健やかでいてくれるわけです。
最先端技術をご家庭に。私たちはコンクリートのプロとして、ともにそんな当たり前の配慮の参考になれたらと思っています。

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士