2018/07/30
「100億立方メートル」のコンクリート
毎日工場で生み出されるコンクリート。そのコンクリートの容積は100億立方メートル。単位を見るだけで、思考が固まってしまう。減ることはなくても、益々大きくなってゆくだけ。でも悪いニュースばかりではなく、逆転の発想で何かできないか。明るい未来を託されている、生コン工場に携わる全ての人。そしてその責務は大きい。
人類の歴史は、長い
長い歴史の中で多くのものを生み出してきました。
生活を営むためには家や施設、だけでなく、社会インフラという基盤が必要となります。現代の社会インフラのほとんどは、ここ65年のうちに建造されたもの。
日本の生コン工場という業態の歴史は、65年と言われています。
これまで生コン工場で生み出され、現在建物や社会インフラとして残っているコンクリートの容積。
100億立方メートル
東京ドーム何個分かわかりません。
新国立競技場何個分でしょうか。
ぞっとすることなんですが、この100億立方メートルというコンクリートの塊。「寿命」があります。
これって、結構凄いことだと思います。
ダメになったら、壊す。
人口はだんだん減っていく。
次の世代にはとても膨大なコンクリートの塊が残される。
私みたいに田舎に住んでいると実感します。
廃墟、増えました。
住む街伊豆の国市は、温泉の街として栄えた時期があります。
数多くの温泉旅館が作り出され、栄華の痕がコンクリートに残っています。
そのまま放置されている施設もあります。
大都会で暮らしていると次から次に新陳代謝がされています。
だからあまり実感として気づけない。
田舎にはダイレクトな現実が横たわっています。
膨大なコンクリート構造物が次の世代に重くのしかかっていく。
それは事実です。
その量を減らすことはできません。
ただ、その勢いを和らげることはできます。
できること、果たすこと
私たち生コン工場は作りっぱなしも許されなくなってきたと感じることがあります。コンクリートのことを最も知っている人たちは
私たち生コン工場。
生み出しちゃったものの責任、持ちましょう。
です。
人もコンクリートも長寿命社会。
建設業は「斜陽産業」だなんて言われます。
せっかく持っている専門知識やパフォーマンス。
生み出す方向さえ変えていけば、まだまだ成長産業だと信じています。
水の次に流通する材料、生コンクリート。
作り手の私たちに課せられている使命は、大きいはずです。
宮本充也
2018/07/30 井出