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2022/06/04

「生コン製造業に男性が向いていない理由。余計な忖度、求められてもいない自分の価値出しをしようとする」第1回生コンキャンプ in 岡山

「生コン製造業に男性が向いていない理由。余計な忖度、求められてもいない自分の価値出しをしようとする」第1回生コンキャンプ in 岡山

昨日(2022/06/03)岡山県の白石建設(生コンクリート製造・販売)では第1回生コンキャンプが開催されていた。来た人、繋がっていた人にしかわからない、この空気。義務でも責任でもない、ただただ共感に集まる流動的なイベント。第1回生コンキャンプレポート。



生コン試験室いばりがち

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左・白石建設武南さん、右・JIC森先生。

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OFF(リアル参加)で15名、ON(リモート参加)で5名。

いずれも、生コンクリートの製造に実際に携わっている面々だ。

お題は、「生コンDx」無駄・ムラ・無理の多い生コンクリート製造実務に課題意識を持った経営層・実務者らが集まり、最先端を走る白石建設でキャンプを張る。

「なぜ、生コン工場は新しいことに積極果敢に挑戦しにくいのか?」

 JIS A 5308や独占禁止法適応除外が鎖になっているのは当然のことながら、もう少し噛み砕いて考えてみるとわかること。

「試験室いばり気味」

閉じた箱の中で形成された社内規格の運用。

「俺のやり方が正しいから、お前(若手)はその通りに」

そんな悪しき慣習がどの工場でも多かれ少なかれあったはずだ。

極めて流動性が低く閉鎖的で風通しの悪い生コン工場という空間で「俺が  JISを守ってやってんだ」と経営層もいまいちわからないから任せっきりになり試験室職員が付け上がる。

「そんなこと(新しいこと)やってる暇ありませんよ、試験室業務が忙しくて」

ましてや主任技士だの診断士だの資格が立派になればなるほどふんぞりかえる。

「そんな大したことない試験室が大嫌いなんですよ。壊しましょう」

JIC森先生が半ば冗談めかして宣言した。



生コンDxがそんな閉じた箱をこじ開けます

一例として、白石建設にはセメント入荷の伝票は2枚しかない。

「JISのどこを見渡してみてもそんな規定はありませんよ」

森先生はズバズバと指摘していく。

「それ、意味ありますか、どこにそんな不必要なもんを残しておくことを要求する規定がありますか、全部電子データでクラウドに上げておけば済みますよね?」

実務を知り尽くしているJIC森先生の恐ろしさは主任技士研修の頃から知っているので背筋がピンと伸びてしまう。

「誰しも自分の役割を守ろうとする」

これってあると思う。

組織の目的はより生産性を高めて社会に貢献していくことだ。

なのに、その組織を箱として捉えると、その中に自分の領域を作ろうとしてしまう。

白石建設ではあらゆる業務に漏れなく例外なくメスを入れた。

骨材もセメントも全て研修作業はPCで行われ即座にクラウドに保存され権限を与えられた組織内外のすべての人がいつでも閲覧可能。

それは出退勤やお弁当の手配に至るまで全てだ。

だから、紙がいらない。

FAXや現場写真、あるいは動画も全て、クラウドに保管され適時閲覧が可能。

組織の流動性はますます高まり、誰もが組織の目的に対して有機的に躍動できるようになる。

そこに「俺の城」は存在しない。

それは、協力業者や仕入れ先に限らず、顧客に向けてもSNS(LINE、Messenger、Discord)で繋がる。

履歴は自動的に保存され、検索機能を活用することで埋もれることもない。

配車表や地図だって組織内外の権限を付与された全ての人が適時見ることができるようになっている。

だから漏れがない。



製造業には男性よりも女性が向いてる

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生コンDxに並んで山形唯一のアウト工場みつわ赤塚社長ご執心の「女性活用」について話頭が及ぶ。

僕も含めて男性諸氏には非常に耳の痛い話題だが、男性は製造業に向いてない。

よく言えば「創造しようとする」悪く言えば、「余計な忖度、求められてもいない自分の価値を出そうとする」この点を武南社長は強調する。

言葉通り白石建設ドライバーの半数は女性。

事務所内に至っては大半が女性。

ホワイトボード(当日の配車の様子が動的に示されている)を学校の先生に見立て、女性を中心に電話応対をし、地図を発行し、ドライバーに行き先を伝える。

組織が機械的ではなく有機的・生命体のように躍動する。

そこに「俺の城」を作ろうともがく男性の様子は皆無。

誰もが粛々と組織の目的に向かって貢献する。

余計なエネルギーの分散がない。

「でも、なんでそんなに女性を多く採用できるようになったの?」

衝撃を受けた生コンキャンパーたちから質問が相次ぐ。



大半が女性の生コン工場の秘密

文章では伝わらないから、興味があったらやっぱり現場に足を運ぶことをお勧めする。

キャンプは1wayの先生と生徒という空間ではない。

随所でいろんな会話が弾む。

さまざまな疑問が分散し、さまざまな場所で質問と答えが生まれる。

「なんで、白石建設さんに入ろうと思ったの?そして、長く勤めていられるの?」

「髪の毛の色自由だし、ネイルOKだし」

「育児とか女性ならではの事情に寛容で勤務時間もフレックスなんです」

「友達を紹介すると奨励金(インセンティブ)があります」

誰も上司の顔色を窺ったり、稟議に時間をかけたり、無駄なことに時間をかけていない。

仕事が終わったらさっさと帰る。

必要な時に必要なことをしている。

さっきまで事務仕事をしていたと思った女性が今度は製造をやってたりと思ったら森先生のプレゼンをアシスタントしていたり、はたまた来客にペットボトルのお茶を渡したり大活躍だ。

彼ら彼女らからすれば来客である僕達の質問に当意即妙見事に答えてのける。

そして、これ、信じてもらえないと思うけど、実は昨日キャンプ当日はなんと800m3もの大型打設でオフィスも構内もてんやわんやの1日だった。

そんな日にON・OFF合わせて20名の生コンキャンパーを受け入れ歓迎する白石建設という組織。

これは文書では絶対に伝わらない。

強くてしなやかな組織体。

言葉じゃ伝えられない、本や理論では絶対に到達できない、その境地。


Dxだとか女性活用だとか、あるいは働き方改革やらSDGsやらESG、当今はついつい言葉が先行してしまいがち。

流行り言葉をビジネスとして打ち出しコンサルまがいが横行する。

誰もが「やることになっているから」SDGsバッヂをつけ、Dx大切だよねと嘯き、これからは女性の時代とわかったような口を聞く。

現場の職員の本当の思いを知らない。

SNSやブログに横文字を並べ立てて「やってます感」を出しているすべての人たちは馬鹿ですねってつくづく思った、この偽善者どもが、と。

つくづく、心から、思う。

僕は、とことん、最後まで、現場にいよう、現場を至上としよう、その場所の衝撃や共感を大切にしよう。

絵に描いた餅(計画書)をわかったような面して時間をかけてせっせと書いて「金を払えばお前ら動くんだろ?」くらいの不遜な態度で人に仕事を押し付けようとするクソゼネコン職員は無視して僕達は現場で汗をかくラストワンマイルに寄り添い死ぬまで仕事を楽しみたい。

その後の懇親会がハード過ぎて朝辛かったけど、この興奮を忘れないでいたい。

生コンキャンプ。

最強の第1回を楽しむことができた。



宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:採石業務管理者/2級FP技能士