2021/01/09
「あと数年したら土間コンと同じような価格になるかなー」庭ファンに寄せられた質問に勝手に答えるシリーズ#3

質問「土間コンと同じ値段だったら是非ドライテックにしたいです。まだ家庭用には新しい様なので、あと数年したら土間コンと同じような価格になるかなー」
答え「鍵は、施工に対応する業者数です。誰もが施工できるほどになれば、土間コン同様の価格でお買い求めもできます。DIYでもできますよ」
あと数年したら土間コンと同じような価格になるかなー
庭ファンQ:土間コンと同じ値段だったら是非ドライテックにしたいです。まだ家庭用には新しい様なので、あと数年したら土間コンと同じような価格になるかなー
庭ファンA:そうですね、普及が進むと値段も下がってくると思います!
⚫︎参考記事: 「土間コン VS 透水性コンクリート」駐車場2台分だといくら違うの?
「ドライテックはやっぱり土間コンよりも高くなっちゃうの?」
最も多く寄せられる質問と言ってもいい、
「ドライテックはやっぱり土間コンよりも高くなっちゃうの?」
この質問に関しては、これまでも何度もブログや動画などでその背景を説明してきた。
結論から言えば、「理論上、土間コンと同じくらいの値段で原価が組める」となる。
だから、土間コンと同じ値段で購入されている方々も実際にいらっしゃる。
一方、それ以上に大勢の方々が「(庭コンなどを経由して)業者に見積もりを頼んだら土間コンより高い見積もりが来た」と嘆く。
その一部は庭ファンなどのコメント欄に見ることができる。
これは、いったいどういうことなのか。
一言で結論を言えば、「対応施工者の絶対数が少なすぎる」というのが答えだ。
もし、通常の土間コンと同様、「エクステリア会社ならドライテックは施工できます」ということになれば、ほぼ間違いなくドライテックは土間コン同様の価格帯で流通するはずだ。
その理由はこれまでも何度もブログで説明してきたように、
⚫︎30分〜1時間など短時間で施工が完了してしまうのでその分の作業・手間の費用がカットできる
⚫︎排水設備(土間コンにおける水きりスリット)を設置する必要がない
⚫︎ワイヤーメッシュを敷設する必要がない(そのため、一輪車による小運搬の作業員も不要)
などが挙げられる。
実際、施工の初心者女子2人だけで施工できるほど敷居の低い施工性。
プロの施工者にかかれば「通常、従来の土間コンだったら5人で1日がかりのところを、30分〜1時間で終わらせることができる」となる。
DIYに挑戦すればかかるのは材料代だけになるため、文字通り土間コンよりも安いが実現するはずだ。
こちらの動画ではDIYでドライテックを施工する場合のコツが解説されている。
排水のために設置される水切りスリットは設置するために事前に型枠を組んでおく必要(費用増)がある。
また、スリットに向けて水が流れるように施工中水勾配を設置する必要がある。
(出典:EXGARDENスタッフblog)
また、従来の土間コン(オワコン)の場合ワイヤーメッシュを敷設するのに事前に作業員も時間も、材料代も嵩む。
(およそ50m2分のワイヤーメッシュを敷設するのに大人1人で半日から1日程度時間が取られるだろう)。
例えば、カーポートや植栽、ブロック積みなどと組み合わせてドライテックを施工したとする。
通常であれば、土間コンだけに大人5人が丸一日かかりっきりになるところだが、ドライテックならカーポート、植栽、ブロック積みなど他の作業に1日を使ってから、夕方1日の仕事終わりにみんなで30分で土間コン(ドライテック)を完成させてしまうことができる。
つまり、ドライテックなら1日で2日分の作業を行うことができるのだ。
材料が仮に普通の生コンよりも2〜3倍高かったとしても、それでも施工費用の圧縮分、あるいは上述の排水、ワイヤーメッシュ、などの費用圧縮分を考慮すれば土間コンとさほど費用が変わらなくなる。
これが、理屈だ。
理屈は通っても現実は罷り通らないドライテックのお値段。
それでも、実際は冒頭に説明した通り、「ドライテックだと土間コンより高いって言われちゃう」となっている。
理屈で言えば、確かにドライテックは土間コン同様の原価が組める。
だが、実際に値段を決める、見積もりを作るのは、理屈ではなく実際の施工者。
「せっかくまだ珍しい他の施工者らが対応していないドライテックに挑戦するのだから、少しは美味しい(儲かる)仕事にしたい」
この心理は尤もなものだと僕は思う。
事実、排水の問題や、真っ平らにできるなど、従来の土間コンにはない付加価値を提供している。
その分、付加価値分をお値段として原価にコストONしたってそりゃバチは当たるまい。
僕自身、「無理して安売りしなくていいと思います」と施工者の方々にはお伝えしている。
他がやっていないことに挑戦している「頑張ってるコスト」みたいなもんだと思う。
ただ、中には「まだそれほど普及してないから施主にふっかけてやれ」という不届きものもいないではない。
その辺の見極めが結構難しかったりする。
⚫︎参考記事: 「《土間コンの3倍高い》デマを流布する嘘つき施工者について」施工原価解説
あと、5年だろうか。
製造が可能な生コン工場は1000社を数えるようになり、施工者も5000社が全国で「普通の材料として」ドライテックを施工するようになる。
そうなりさえすれば、ドライテックは「特別な」「珍しい」プロダクトではなく、コモディティ化された、どこにでもあるプロダクトになるだろう。
その時には、上述の説明・理屈通りの原価計算が行われ、それに基づいた見積もりが注文者に届くようになるはずだ。
つまり、土間コンと同じ値段になる。
いや、むしろ、「土間コン」という言葉はもはや死語になり、「ドライテック」あるいは「透水性コンクリート」が駐車場の舗装に当然のように設計される時代がやってくるはずだ。
高い、とか、安い、とかすら気にならないほど当たり前になる。
「あと数年したら土間コンと同じような価格になるかなー」
なりますよ。
いや、しますよ。
生コンポータルが、そんな世界になるよう、努力します。
そのためには、生コンラストワンマイル(製造者、施工者)らの認知・理解が絶対必須。
だから、今日も、情報発信。
1人でも多くの人に「知ってもらう」。
知られていないことは存在していないのと同じこと。
BtoBにどっぷり浸かり切ってしまった僕たち生コンラストワンマイルのこれからの仕事は情報発信なのだと思う。
宮本充也