2020/07/05
「7年経つとどうなるの?」透水性コンクリート《ドライテック》の経年変化

「コンクリートはシリカやカルシウムが主要成分だから石油(樹脂)製品アスファルトと違って変性しない。だから、透水性コンクリートはいつまでも綺麗」。理屈ではわかるけど、本当にそうなの?一生に一度の高額な買い物に妥協は許せない。「7年経つとどうなるの?」。今回は実際7年以上前に施工されたドライテックのその後を紹介。
7年以上経過した透水性コンクリートの今
ドライテックのトップページでも紹介されている山梨県甲斐市の供用ガーデン舗装。
アスファルトなら変性してあちこちポロポロと剥離していたり、土間コンなら耐水によるコケ・カビの発生でずいぶん様子も様変わりしているはずだ。
今回はドライテック結合剤(F材)の製造メーカーフッコーの協力により7年経過した透水性コンクリートの今を撮影した。
7年経過した今の透水性コンクリート。
植栽の際はどうしても枯れ葉など塵が溜まりやすく目詰まりで多少汚れている(高圧洗浄などで回復可能)。
ただ、概ね7年前とそれほど変わった様子はない。
7年間の供用で多少の見た目の変化(エフロと言ってコンクリートのカルシウム分が溶出し白くなる現象や滞水箇所の変色)はあるにしても、骨材が剥離してしまったり凹んでしまったりという現象はない。
これが、7年経った透水性コンクリート「ドライテック」のリアルだ。
7年前に撮影された写真。
同じアングルから撮影された現在のドライテック。
テレビ番組なら「えー!?」とか「ほんとにー?!」みたいなお囃子が入るところか。
コンクリートはガラスの仲間。透水性だから表面滞水はない。
一般に知られていないアスファルトとコンクリートの違い。
アスファルトは石油からできている。
ポリバケツや輪ゴムの仲間。
だから、5年10年外に放置された石油製品がそうであるように、アスファルトは変性し骨材(小石)がポロポロと剥離したり凹んだりする。
一方のコンクリートはガラス(ケイ素)の仲間。
「30年西日にさらされて溶けた窓ガラスなんて聞いたことありますか?」
オンラインセミナーでの定番セリフ。
みんな、「聞いたことない」と納得。
なるほど、コンクリートはガラスの仲間だから変性しないのね。
だから、いつまで経ってもそのままなのね。
そして、ここからは「通常の土間コンクリートと透水性コンクリートの違い」。
土間コンは滞水する。
だから、苔やカビの生育が促進される。
一方の透水性コンクリートはジャバジャバと水が抜けていくため滞水する暇を与えない。
生コン車からの水もぐんぐん吸い込む。
だから、苔・カビの生育のための湿り気もすぐに蒸発してしまう。
それぞれ1年経過した建物北側の土間コン(奥)と透水性コンクリート(手前)。
土間コンには1年経っただけでバッチリ苔が生えている。
雨天時ツルッと滑ってひやっとするそうだ。
(https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/110_1.html)。
理屈で伝えるだけでは肌感覚として納得できないはず。
だから僕たちはブログや写真、動画だけでなく、オンラインによるセミナーや施工見学会を開催している。
常に未来へ未来へ、前へ前へ、その歩みを止めないように必死で努力している。
でも時たま今回のように過去を振り返るのもいいことだ。
実際僕たちだって頻繁に5年10年前の透水性コンクリートを見ているわけじゃない。
たまさか話題になり「じゃあ、7年前の様子ちょっと見てくるか」とフッコーの皆さんとの会食の時に話題になり今回の写真がもたらされた。
もう15年に及ぶ透水性コンクリート普及の歴史。
未来を見つめるためには、ほんのごくたまにで構わないので、来し方の道のりを振り返ってみよう。
「7年経つとどうなるの?」
7年経過、素晴らしく綺麗ですね。
植栽の際は、土の流入があるので目詰まりしてますが、100点ですね。
(フッコー杉山成明氏談)
宮本充也