2020/01/08
「これが国際都市東京の地面だよ!」根上がり(下を向いて歩こう#8・東京)

仕事始めの1週間東京は虎ノ門を歩いていると見かけた光景。歩道に舗装されたアスファルトは大地に蓋をして木の根は「空気」「水」「養分」を求めて上を目指すことで人の安全は脅かされる(下を向いて歩こう#8)。
これが国際都市東京の地面だよ!
訪問先へ向かう路地の写真。
持続可能な社会。
自然と調和する人々の繁栄。
都市の緑陰は人々の暮らしを豊かにする。
一方でその樹木の周囲に施工された舗装。
これまでの舗装はいわば、「大地に蓋」する存在。
蓋をされた大地は、「空気」「水」の流通が断絶する。
それらに乗って届いていたはずの「養分」ももちろん流れが阻害される。
結果人々の暮らしを豊かにする緑陰の根っこには、
「空気」「水」「養分」
が届かない。
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/post_946.html
樹木に悪気はない。
ただ、人の暮らしが蓋した大地では得られない「空気」「水」「養分」を志向する。
それは、地中にはないため、そのまま地上を志向する。
結果蓋(舗装)を持ち上げるほどに伸長する。
アスファルト舗装された路地すべての植栽で「根上がり」は確認された。
キャリーバッグを転がす旅行者、お年寄りや子供にとっての「根上がり」。
いよいよ今年はオリンピックイヤー。
世界中から老若男女が国際都市東京を訪れる。
都心虎ノ門の地面の現実はこの通り。
大地に蓋したアスファルト舗装は自然の反抗にあう。
僕たちはまだ「自然を支配しよう」とするのか。
それとも、「自然と調和しよう」とパラダイムシフトを迎えることは可能なのか。
民間と違って公共が発注するこうした舗装工事のプロセスは不明な点が多い。
前例踏襲。
あるいは、バッチからの圧力。
世間一般が志向している価値と公共発注機関が志向している物との乖離。
以前とあるカンファレンスで発表に立った都庁職員に、
「どうしてみんなが希求する高通気性舗装は採用されないのか?」
どうして不陸で雑草や段差が問題視されるインターロッキングブロックだけが採用され、透水性コンクリートには採用の機会さえ与えられないのか。
そうした疑問についてその都庁職員は明確に回答できなかった。
東京オリンピックにはもう間に合わないかもしれない。
大阪万博ならどうだろう。
民間ベースでは少しずつ景色が変わる舗装の常識。
景色を一変させるには公共工事での採用が不可欠。
日々の地道な透水性コンクリートに関わる情報発信活動には焦りもある。
ただ、できることを続けるしかない。
「これが国際都市東京の地面の現実」
キャリーバッグは転がしづらく、お年寄りや子供が足をつまずき転倒する。
そんな東京の地面でいいのだろうか。
宮本充也