2019/12/02
「生コン工場にとっての意味」エクスショップとの協業(週刊生コン 2019/12/02)

12月が始まった。生コンにとっては来年の年度末まで本格的な繁忙期の幕開けとなる。忙しい、暇、に一喜一憂する業態生コンからの脱却。そんな想いはエクスショップとの協業に具現化されていく。
「老木が新芽を生やし、湧水が復活する」エクスショップ透水性コンクリート販売開始
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/post_902.html
エクステリアという分野にITを駆使して圧倒的な物量を生み出すエクスショップ(https://www.ex-shop.net/)。
これまでになかった流通に「ザ・オールドエコノミー」生コンが出会う。
そのことは生コンにどのような変化をもたらすだろう。
透水性コンクリートの単価はおよそ35,000円〜40,000円。
普通の生コンの2〜3倍になる。
粗利率は40〜50%。
およそ通常の生コンよりも高付加価値。
同じ1m3を運んでも意味合いとしては2〜3倍の売り上げを意味する。
そして、1台に関わる輸送コストは同じなわけだから粗利益も実際の利益も向上する。
1度透水性コンクリートを製造協力くださった生コン工場は誰しも、
「こんなに楽な生コンを練らない手はない」
と口をそろえる。
そしていよいよエクスショップという流通につながる。
透水性コンクリートを製造してきた(あるいはこれからしたい)生コン工場にとって大きなチャンスとなる。
その地域で発生するエクステリアの土間という市場。
それはこれまで偶発的に発生し「小口」として脈とされずに偶然出荷できるどこぞの生コン工場が供給を果たしてきた。
その偶発的無数の案件がご当地の透水性コンクリート「ドライテック」を製造する工場に収斂される。
偶発が必然的な市場として捉えられる。
エクスショップとの協業は生コン工場にとってそんな意味を持つのだ。
「12月1日エクスショップからドライテック(透水性コンクリート)リリース!」建設ECコミュニティ第1回交流会(その3)
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/121ec13.html
⚫︎組合→登録販売点(商社・建材店)→需要家
⚫︎その他小口
これまで生コンの流通はこれだけだった。
70年間これだけ。
二者択一。
どっちか。
そこに、IT流通が参加し第3軸となり多様性が生み出される。
これまで捉え所のなかった偶発的で、供給側(生コン工場)にとっても需要側(小口物件)にとっても価値が薄かったその生コンがIT流通で突如市場となる。
透水性コンクリートをはじめとした高付加価値生コンへの市場となる。
例えば毎月500m3透水性コンクリートが出荷されることを想像してみる。
売り上げとしての意味合いは1500m3を意味する。
利益はさらに大きい。
生コンが低迷するこの時代に生コン工場にとって悪くない話だと思うがどうだろう。
透水性コンクリートをきっかけにエクスショップと市場を温めていきたい。
⚫︎ジェットコンクリート
⚫︎超流動生コン
⚫︎pp短繊維散布工法(メッシュの要らない生コン)
⚫︎その他特殊コンクリート
こうした製品は従来の流通ではなかなか見出されづらかったが、透水性コンクリートが開く新しい市場では比較的早く普及していくことになるはずだ。
こうした高付加価値生コンを仮に1000m3も練ったとしよう。
収益の面ではもはやJIS品を製造しなくとも成立する未来がやがて訪れる。
後は実践あるのみ。
千葉・茨城・埼玉・東京・神奈川・静岡東部でパイロット販売がスタートする。
忙しい、暇、に一喜一憂する生コン業ではなくなる。
誰にとっても求める生コン業のあり方であるはずだ。
その新しい業態をIT流通は僕たちに示してくれている。
エクスショップとの協業。
「生コン工場にとっての意味」
宮本充也