2020/08/31
【静岡】「お寺にコンクリートってなんか変?」正蓮寺・しょうれんじこども園 #2

静岡県伊豆の国市の蓮寺・正蓮寺では先端コンクリートテック《ドライテック》が大規模に整備された。3日間に渡る施工は地元メディアの注目を集め50t以上もの雨水を貯留(浸透)可能な「大地の呼吸を止めない舗装」として完成した。
常にお寺は先端建築・テクノロジーが採用される場所
地元静岡新聞に掲載された園児たちによる施工の様子「園庭舗装、僕らもお手伝い 伊豆の国・こども園、足踏みで協力」(https://www.at-s.com/news/article/local/east/801752.html)。
こちらも伊豆日日新聞で紹介された記事。
そして、明日(2020/09/01)には地元ラジオ局FMいずのくににも取材していただき、子供たちによる打ち水と環境温度低減効果について詳しく紹介されるそうだ。
初日は子供達の補佐役だったプロの大人の施工者たちにより2日以降見事な手さばきで施工が進む。
「仕上げはお父さんたち」
写真でもわかるように、土間コンクリートと違ってワイヤーメッシュという配筋が設置されていないため生コン車は直接路盤に進入して直接材料を荷下ろしすることができる。
そのため施工スピードが土間コンクリートに比べ格段に上がることが特徴だ。
今回特に平坦性をご希望されていたため特製のトンボ(写真左)で慎重に均す。
定規(特製トンボ)で平坦に均された材料の上をプレートが追いかけて転圧を行う。
続いて今回は特別パワートロウェルを利用した仕上げ。
今回採用された粗骨材(砂利・砕石)は7号砕石(最大寸法5mmの単粒砕石)と言って特殊な骨材となる。
そのため、通常の2005や1505砕石とは違い、転圧だけではなく金鏝(パワートロウェル)による最終仕上げが採用された。
対応できる工場はほとんど皆無と言って良く、また仮に対応できたとしても通常の条件とは異なるため事前の入念な協議が必要となる。
通常の骨材に比べて幾分細かく目が詰まっているのがわかるはずだ。
施工完成写真は#3で詳しく紹介する予定だ。
最先端のテクノロジーがてんこ盛りの境内の舗装・正蓮寺
言われてみればやけに納得してしまった。
古来から先端テクノロジーが採用されるのは決まってお寺。
法隆寺は今も建築の重要な歴史的ターニングポイントとして継がれている。
真宗大谷派の本山・東本願寺では最近ソーラーパネルを屋根に設置しようとしたことで話題になった(実現はしなかったそうだ)。
地域や人々の結び目となるお寺は常に情報(心)の交流点。
勢い新しい情報(心)もいの一番にそこに集まる。
だから、ヒト・モノ・カネといったリソースはその後を追いかける。
一見お寺には関係のなさそうにも思える「経営」とは「経(お経)の営(いとなみ)」。
⚫︎参考記事:「死んだ後に残るものは得たものではなく与えたもの」
適切に経営されたそこには常に人々が生み出す付加価値の最先端が交流する場所ということができる。
年下の住職から教わった真理だ。
「お寺にコンクリートってなんか変?」
「境内といえば砂利敷きが相場でしょ?」
「建物は木造!」
これは現代人の勝手な押し付け、偏見のようにも思う。
ドライテックのご採用に限らず正蓮寺(渡辺元浄和尚)の常なる実践を見ていると、「子供たちに施工を手伝ってもらおう」もそうだが次にはどんなアイディアが飛び出すのかとてもワクワクする。
「山奥に篭って修行してそう。俗世間とは関係なさそう」
これも、勝手な偏見。
御住職は常に現代を生きる人々に寄り添い、人と人の交流の中心にいる人。
あらゆる情報・技術が寄せられ、それをその土地やコミュニティの文脈に沿うように再構築して形にする。
いつの時代も変わらないもの(本質)を見つめ、時代や社会の変化に敏感に反応し変化する。
その流れ、文脈に添える製品としてドライテックが成長してきたことをとても喜ばしく思う。
そして、施工したら終わりではない。
ここが始まり。
(#3完成に続く)
宮本充也