2018/11/09
「透水性コンクリートにまつわるいくつかの誤解【工場にとってどうなの? pt2】」

15年前には殆どの生コン工場に製造を断られていた透水性コンクリート。知らぬ間に生み出された誤解。生コン工場にとっての鼻つまみ者なの?そんなことはない。透水性コンクリートにまつわるいくつかの誤解。
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/_pt1_1.html
透水性コンクリートにまつわるいくつかの誤解
※住宅外構(カーポート)などで急速に普及が進む透水性コンクリートの施工状況写真。
※今ではありがたいことに多くの生コン工場が「積極的に」その製造に取り組んでいる。写真は、長野高沢生コンさんでの試験施工。
※透水性コンクリートはお菓子の「かみなりおこし」のような構造をしているため、その隙間を水が抜けていく。
※そのサンプルはあらゆる場所に設置され、その「透水性」はぢかに体験することができる。写真は静岡県伊豆の国市のイベントで市長小野登志子が透水性を体験する様子。
1.貯蔵びんの入れ替えしなきゃいけないんでしょ?
もう、最初に「透水性コンクリート練ってもらえませんか?」というのをやめたほうがいい。
なぜかはびこる負のイメージ。
「と」
といった瞬間に離れていく生コン工場の気持ち。
やる気。
「貯蔵びんの入れ替え」
がつきまとうと信じて疑わない。
透水性コンクリート「ドライテック 」は粗骨材最大寸法の標準を、
2005(20〜5mm)/砂利(25mm)
※https://www.hirose-kenzai.com/shop/products/detail.php?product_id=12 より引用。
としている。
貯蔵びんに貯蔵してない工場ってある?
つまり、現状標準化している骨材を用いて製造可能。
だから、ご安心。
貯蔵便の入れ替えはない。
2.通常の生コンとの平行製造できないんでしょ?
その日は、透水性コンクリートの製造、ONLY。
そんな、イメージ。
特殊なバインダを大量にミキサーに投入。
骨材同士の付着強度を上げるための措置。
そのせいで通常の製造ラインは止まる。
その日は、透水性コンクリートしか練りません。
100m3とかあるならまだしも、
それなりのコストをいただけるならまだしも。
5〜10m3ぽっちの透水性コンクリートの製造にそんな面倒かけられません!
みたいな、誤解、がある。
通常の生コン製造となんら変わらない生産プロセス。
大量の混和材(バインダ)をミキサー投入とかもない。
手のひらサイズのバインダ(F材)を生コン車に直接投入。
(※流動化材の現場投入のイメージ)
2分間の高速攪拌。
以上。
3.舗装コンクリートだから現場で待たされたりするんでしょ?
生コン界隈でイマイチイメージの悪い舗装コンクリート。
SFC(Slip Formed Concrete)や連続鉄筋コンクリートなど、
求められる技術力が高い割には数量が少なくて面倒が多い。
そんな風に思われがちな舗装コンクリートの一種だから。
透水性コンクリートも面倒が多くて儲からない。
そんなイメージが根強いようだ。
それが、実はまるで逆。
※透水性コンクリートには「ペースト」がないからご覧の通り敷設後すぐに仕上げ(プレート)ができる。ワイヤーメッシュもないから、ぢか取りもできる。
・雨の日の合間
・夕方
どの生コン工場にとっても暇な時間帯に納入ができる。
さらに、ぢか取りができるため、納入そのものも早い。
だから、何でもかんでも朝一を要求される土間コンと違って、
そのほかの時間からの納入など調整もしやすい。
これが、強み。
生コン工場にとっての透水性コンクリートってどうなの?
迷わず、こう答えるだろう。
「普通の生コンなんか練ってられない。これに全部変わるべきだ」
って(これは実際奈良の生コン工場関係者のコメント)。
楽して、儲かる。
きっと、すべての事業体はここを目指しているはずだ。
そんな、透水性コンクリート。
あとは、普及を促進するだけ。
多くの生コン工場にとって有益で、
そのことで多くの業者さんやお施主さんを喜ばせることができる。
なにも、「水を通すこと」が価値ではない。
実はもっともっとすごい価値が生コン工場にとってもある。
生コン工場にとっても「生コンでいいこと」。
それが、透水性コンクリートの真価だ。
宮本充也