2021/04/21
「アスファルト vs コンクリート《95:5》をグレート・リセットしよう」

昨日都内ではRRCS主催の座談会の収録が行われていた。お題は、「カーボンニュートラルに向けて、コンクリートが貢献できること」環境金融の現在と未来。ゲストの吉高まりさん(三菱UFJ リサーチ&コンサルティング)は日本のグリーンボンドの草分け。ESG評価の時代、あらゆる産業はダイナミックに再定義されていく。
グレート・リセット
https://rrcs-association.or.jp/dialogs/21410.html
⚫︎参考記事: 「目指せグリーンボンド起債!ポーラスコンクリートのCO2収容性とLCC、リサイクル性能」環境省
「グレート・リセット」とは、協力を通じより公正で持続可能かつレジリエンス (適応、回復する力)のある未来のために、経済・社会システムの基盤を緊急に構築するというコミットメントです。(出典:https://jp.weforum.org/press/2020/06/the-great-reset/)
2050年カーボンニュートラルに向けて全産業がグレート・リセットを迎える。
コンクリート、建設も例外ではない。
僕は日々激変を感じている。
これまでの秩序が幸か不幸か社会・環境の要請により変化を余儀なくされている。
コロナ禍が大きかったように思う。
いつまで経っても生コンは電話とFAX。
インターネットなんか、おままごと。
業界のトップですらそのように考えている。
「生コン情報の電子化なんかけしからん」
そんな業界にあって、リモートが当たり前になった。
昔ながらの「近くを通ったのでお名刺だけ置きに来ました」は「いや、迷惑です、やめてください」の時代が到来したのだ笑。
僕が個人的に一番びっくりしたのは、最近まで会議中でもタバコを吸っていた理事会や参事会(静岡県東部生コンクリート協同組合)もリモート対応となったらしい。
やればできるじゃんである笑。
閑話休題。
幸か不幸か外圧(コロナ禍)により人々は目を覚ましたのだと思う。
「あ、これ、ガチのやつだな」
コロナ禍が一変させてしまった世界では人々は目を背けていた真実に気づいてしまったのだ。
「このままいったら、地球壊れちゃうな」
である。
これまでの考え方を根底から一新させるグレート・リセットの必要性を肌で感じるようになったのかもしれない。
アスファルトとコンクリートの対立軸で考えたくはない
二項対立がこれまで世界のあらゆる人々を苦しめてきた。
どちらかが優れていて、どちらかが間違っている。
あいつのやり方ではなく、俺のやり方。
時代は超越と統合を目指しているのだと思う。
俺のやり方と、お前のやり方。
冷静に考えて、現在の日本のAs と Conの比率、95:5は明らかに異常値だ。
今ではアスファルトの原料は海外からの輸入に依存しているのだという。
発生残渣の有効利用という文脈は既に崩壊している。
必要のない化石燃料を燃やしてCO2を焚いているのだ。
道路産業自身そのことを気づいているはずだ。
95:5は明らかにおかしい。
相互に全体最適を念頭に融合することが求められる。
いつの間にか異常な世界になってしまった日本の道路をグレート・リセットしなければならない。
コンクリートはCO2を固定化することができる。
コンクリート舗装は往時副産物として発生してしまったアスファルトのように還元機能がある。
CO2を炭酸塩に変換させ、それをコンクリート混和材として利用することができる。
コンクリート舗装はCO2貯蔵庫。
さらに、ポーラスコンクリートにすることで、CO2収容速度は高まる。
水だけではなく、空気も流通するから、路盤材(残コン、スラッジ由来)は蓋されている状態以上にCO2を収容することだろう。
リサイクル骨材を使用することで余計に大地を削ることもない。
「大地を削らない、汚さない、蓋しない、CO2を収容するコンクリート」
このことをもっと広く社会に知らしめる。
グレート・リセットとその具体的な提案をコンクリート産業から発信する。
座談会リリースは5月10日(月)10:00〜。
乞うご期待。
宮本充也