2021/01/02
【福岡】「北九州エリアの生コン製造者の協力を得られないという逆境」大分綜合建設・All round

昨年ご縁に恵まれた北九州市のAll round新井さんがFacebookに共有した《ドライテック》。お恥ずかしい話、一度も施工立会していないのに、見る間に成長・進化を遂げる。「逆境は人を鍛える」。ご当地は生コン製造者の協力が得られない場所。そんな逆境でも、たくましく美しい「地球に蓋しない」コンクリート舗装の普及が広がっている。少しでも後方支援ができればと願っている。
製造:大分綜合建設(担当:九鬼智絵)、施工:All round(担当:新井真介)
大事な仲間たちとの繋がりを改めて感じさせられた1年
施工Before。
施工は昨年オンラインセミナーでご縁に恵まれたAll roundによるもの。
コロナでつくづく感じました。下げたくない頭を下げて無理して仕事するのやめました。仮に儲からなかったとしても仲間たちと楽しい時間を過ごすことを目的にしたい
⚫︎参考記事: 「何でもかんでも安くしろ」ストリートバスケブランド《ballaholic》との協業 #6
コロナ禍只中。
人々が惑い狼狽えている最中、僕は新井さんと出会った。
セミナー、というよりも、同志とエクステリアや建設について語り合ったという方が正しいように思う。
互いに色々なことを語り合った。
混乱に人々が惑う中でも、新井さんは大切なものを直視する曇りない目を持っているように思った。
北九州エリアの生コン製造者の協力を得られないという逆境。
日本全国およその地域のおよその生コン製造者はドライテックの製造に協力的だ。
現在、その数は500を数える。
生コン製造者のしつらえを有しているならば、ドライテックを製造できない理由はない。
なのに、ご当地北九州の生コン製造者の協力を得られない。
通常、この時点でAll roundのドライテックプロジェクトは破綻する。
でも、新井さんは諦めなかった。
そして、協力者も現れた。
隣県の大分綜合建設九鬼智絵さんだ。
高速を使って1時間半という、とても通常の生コンでは配達できない地域から新井さんの気持ちに答えた。
その後ドライテックは数回北九州の地域で採用された。
そして、2020年の総決算ともいうべき今回の現場を迎えた。
駐車場のラインとして廃瓦のチップを撒いて転圧してある。
室外機周りの犬走にも廃瓦のチップはあたかも桜の花びらのようにランダムに舞い散っている。
施工After。
詳細は、All roundの公式Facebookから見ることができる(https://www.facebook.com/102123871618088/posts/204797151350759/)。
コロナ禍、製造者の拒絶。逆境から生まれる本当の価値。
「コロナでつくづく感じました。下げたくない頭を下げて無理して仕事するのやめました。仮に儲からなかったとしても仲間たちと楽しい時間を過ごすことを目的にしたい」
初めてお目にかかったオンラインミーティングでの新井さんの言葉。
ぐさり、胸を抉るものがあった。
悲惨な状況で、普通なら目を背け、踵を返したくなる。
逃げたくなる。
やめたくなる。
降参したい。
でも、そんな時に、それまで新井さんが培ってきたコミュニティの本質に出会う。
逆境が本質を見せてくれる。
その後、ドライテックに共感し、自身の想いから、新事業に乗り出す。
直後のご当地北九州エリアの生コン製造者の拒絶。
「やったことのないものはやりません」
突きつけられた現実。
仲間たちとの楽しい時間を過ごすことを目的としたい。
そして、仲間は必要な時に現れる。
製造協力のない北九州でドライテックが力強く一歩を踏み出す。
「地球に蓋しないコンクリート」。
誰かの特定の欲求ではなく、これからの世界が求めているテクノロジーの普及に共感し、数ある試練をものともせずに前進する新井さん。
僕が北九州で生コン製造を行っていたら、協力しない理由はない。
一体、どんな理由があるのだろう。
生コン業界の深い闇を感じる。
それでも、そんな逆境にもめげず、ご当地北九州では力強くドライテックは動き出した。
新井さんのライフワークはバスケットボール。
バスケットコートにドライテックを施工する。
そんな想いでも共同している。
世界中に確実にいるはずの、それでも従来の産業構造(階層、壁)で埋もれている、新井さんのようなタレントともっともっと出会いたい。
もっと多くのタレントが互いに互いを認識し合えば、この世界にはもっともっと素晴らしいことが起きるはずだ。
2021年も始まっている。
素晴らしいタレントが何にも遮られることなく、そのエネルギーを解放できるような産業を目指したい。
仲間と過ごす楽しい時間を目的に。
その結果として、透水性コンクリートの普及は自ずと広がっていくだろう。
宮本充也