長岡生コンクリート
オコシコンは高い透水性を持ちながら表面強度・曲げ強度に優れたポーラス構造の高強度コンクリート

2021/06/04

【号外】「CO2吸収型コンクリートは、2030年には需要拡大を通じて既存コンクリート同価格を目指す」(月刊透水性コンクリート)

【号外】「CO2吸収型コンクリートは、2030年には需要拡大を通じて既存コンクリート同価格を目指す」(月刊透水性コンクリート)

昨日、日本政府の成長戦略実行会議が開催され、「成長戦略実行計画案」及び「成長戦略フォローアップ案」が示されました。特筆すべきは最優先事項である「成長戦略実行計画案」において、P.8の「第三章"グリーン分野の成長"、(3)分野別の課題と対応、④カーボンリサイクルに係る産業・マテリアル産業」として、2030年までにCO2吸収型コンクリートを30/kgで建築用途にも使用可能にするとの記載があります。



成長戦略実行会議

⚫︎参考1: 成長戦略会議(第11回)配付資料
⚫︎参考2:資料1−1 成長戦略実行計画案

④カーボンリサイクルに係る産業・マテリアル産業
カーボンリサイクルは、CO2を資源として有効活用する技術であり、カーボンニ ュートラル社会の実現に重要な横断的分野である。日本に競争力があり、コスト低 減、社会実装を進めた上で、グローバル展開を目指す。
具体的には、CO2吸収型コンクリートは、2030年には需要拡大を通じて既存コンクリートと同価格(=30円/kg)を、2050年には防錆性能を持つ新製品を建築用途にも使用可能とすることを目指す。輸送機器用等のCO2と水素の合成燃料について、技術開発・実証を今後10年間で集中的に行い、2040年までの自立商用化を目指す。
マテリアル産業は、水素を用いた高炉製鉄法など、世界に先駆けゼロカーボン・ スチールの技術開発・供給を行い、2050年に年間最大約5億トン、約40兆円と見込まれるグリーンスチール市場の獲得を目指す。



急激な二次関数曲線の成長が求められる分野としての「コンクリート」

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(引用:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00142/00913/

僕が生コンに入職したの平成13年(2001年4月2日)から現在にかけて、当初予算ベースでは見事に下りのエスカレーター。

静岡県東部(伊豆半島の付け根)で言えば当時は全体で80万m3の出荷があったが、現在は40万m3を割り込もうとしている。

この20年で半減。

どのような希望的観測を弄してもこの傾向は人口半減社会に向けて加速する。

ことは「1人あたり年間1m3消費する」コンクリートのことだ。

生コンラストワンマイル。

僕たちはこの現実に臨み、なすすべもなく翻弄されるだけなのか。


特筆すべきは最優先事項である「成長戦略実行計画案」において、P.8の「第三章"グリーン分野の成長"、(3)分野別の課題と対応、④カーボンリサイクルに係る産業・マテリアル産業」として、2030年までにCO2吸収型コンクリートを(30円/kg)で建築用途にも使用可能にするとの記載があります。ここまで具体的に価格まで提示した成長戦略が過去にあったでしょうか?

ざっと見ただけでも、価格まで示されているのは次世代エネルギーとされる水素のみです。

"CO2吸収型"の定義を明確にしていかなければなりませんし、防錆技術や生産性、コスト等々クリアーすべき課題が山積みですが、更に「組合毎に価格にバラツキがある」という点を度外視し、一律の目標設定価格が政府の公的文章に示されたのは、とても興味深く読ませて頂きました。

いずれにしても、コンクリートがカーボンニュートラル社会に向けて、主役になりつつあるのは間違いないようです。コンクリートの底力を見せましょう!

RRCS事務局

(事務局藤井さんから興奮気味に配信されたRRCSのメール号外より引用)




そう、成長戦略を裏付ける項目に次世代エネルギー水素と並びコンクリートが挙げられた歴史的事件だ。

これが、建設・コンクリート産業においてどれほどの意味を持つかは説明するまでもないのだけれど、ブログだから説明しちゃう笑。

環境金融の現在と未来 | RRCS対談座談会 Vol.7 吉高まり氏とコンクリート業界のカーボンニュートラル化を見る

https://youtu.be/wbC9m141_ms

以下は、RRCS代表理事であらせられる野口貴文氏の対談中のコメント。

コンクリートは実は大気中の二酸化炭素を長年にわたって吸い続けます。で、固定化していくのでCarbonCaptureをすることでそれを透水性のコンクリートだと穴がいっぱい入っているので、二酸化炭素が通りやすく吸着しやすいということで、アスファルトに比べるとよほど環境には良いものになるのではないかというあたりをいかに説明して評価していこうかという動きをしようとしている

これが、どれほどのことかお分かりだろうか。

なお、野口貴文氏の僕たち生コンラストワンマイルに向けたメッセージを以下に引用したい。

「生コン、プレキャスト工場の約半分が製造に協力してもらえると信じている」

⚫︎参考記事: 「野口教授ら研究グループによるNEDOのムーンショット型研究開発」(月刊残コン Vol.47)



透水性のコンクリートだと穴がいっぱい入っているので、二酸化炭素が通りやすく吸着しやすい

自覚しています。

僕の文章、あまりのことの大きさにうわずってます。

手がちょっと震えてます。

21年前に入職してからこっち下りのエスカレーター。

価格の急落も経験し、生コン需要も半分になっちゃった。

「コンクリートから人へ」なんて差別までされた(まあ、言われて当然って部分も多少は自覚していたが)。

とにかく、そんな逆境の中で僕の職業人生は推移してきた。

入職直後残コンという不条理に見舞われ、その後透水性コンクリート(二酸化炭素が通りやすく吸着しやすい)という技術分野に出会い、偶然にもそれらを「生きる道」と信じてこれまでやってきた。

残コンも、そして野口先生が語るように透水性コンクリートも、実は二酸化炭素を吸収するマテリアルということがこれから一層注目されることになる。

⚫︎参考記事: 《コラム》「透水性コンクリートの本当の価値は水を透すことではないのかも知れない」

(僕自身この可能性に気づいたのは昨年末クリスマスイブのことだった)

その時は山奥の生コン屋の愚にもつかない駄文の1だった。

それが、この半年、あれよあれよと急速に具体化し始めている。

そして今回成長戦略実行計画案として内閣官房の公式な資料として発表された。

目利きの鋭い人々からはすでにこの報に触れてリアクションが寄せられている。

そう、「すごいことになっちゃった」ってやつだ。

社会が持続可能な成長を期する上で必要不可欠なマテリアルにコンクリートが盛り込まれた。

今後この分野は黙ってても上りのエスカレーター、いや、エレベーターかもしれない。

そして、生コンラストワンマイルの一部はもう10年以上も前からこの分野に取り組んでいた。

いよいよ僕たちの努力が世界の飢餓に出会った。

僕たちの作るコンクリートが世界に強く求められる。

武者震いが止まらない。

これから起こることを見たくていても立ってもいられない気持ちだ。


そして最後に。

再び我が国のコンクリート工学の権威、野口貴文教授の言葉を引用したい。

「生コン、プレキャスト工場の約半分が製造に協力してもらえると信じている」

これまで同様、最後の1人になろうとも、僕は自分の信じる道を貫徹したい。

おめでとう、生コンラストワンマイルの皆さん。

どうやら僕たちのやってきたことは正しいようです。



宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士

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