2020/10/10
【茨城】「旗竿(はたざお)地であり勾配(こうばい)もつけたくない」FUJISHO・大里ブロック

茨城県結城市。「ドライテック で土間コン施工してください」。施主より透水性コンクリート(ドライテック)の製品指定で土間コンクリートの施工を依頼される。「旗竿地であり勾配もつけたくない」というのが理由だった。なお、当該現場は見学会場として近隣施工者にも開放された。
製造:大里ブロック工業(担当:木村真人)、施工:FUJISHO(担当:斉藤勝行、80m2、100mm、7名、3時間、庭コン)
施工動画
「ドライテックで土間コン施工してください」
施工Before。
おなじみ、担当者まさつぐの影付き写真だ。
このくせがなかなか治らない。
以前は完成写真でこの影付きをやってくれて毎度の顰蹙を買っていたものだ。
それはさておき、当該現場は「旗竿地であり勾配もつけたくない」というお施主さんからの希望もあって、ドライテックが製品指定となった。
隔世の感がある。
施工スタート。
フローは毎度変わることなく担当なものだが、敷設した材料をトンボで平ら(平坦)に均した後を30kgプレートコンパクタで追いかけ仕上げ。
単調なその作業がひたすら繰り返される。
そのため、時間の経過とともに作業そのものに慣れることで正確さやスピードが増していく。
1スパン目の施工が終わりトメ枠を撤去して2スパン目の施工に入る。
この時、ジョイント部は破損しやすいので十分注意しながらの施工となる。
初めての施工の場合は必ず施工指導員が無料で立ち会う(一般の方のDIYや2回目以降の場合は費用発生)。
「失敗させない」から安心して施工してもらえるようになっている。
80m2にも及ぶ規模ではあったが3時間もしないうちに終盤戦。
通常の生コンを用いた土間コンクリートと違って透水性コンクリートの場合はここから後工程がない。
そのため、3時間なら3時間という実作業時間で「全てが終わっちゃう」。
施工After。
日が傾き担当者まさつぐの影は映り込まなくなっている。
それはそれで少しだけ寂しい、ということは全くない。
80m2、7名、3時間、「初めての施工」とはとても思えない見事な出来栄え。
「旗竿地であり勾配もつけたくない」というのが理由
最近のお施主さんはよく調べている。
インターネットはあらゆる常識を変えてしまった。
一生に一度の庭(家)づくり。
インターネット以前は、もう施工者を信頼するより他なかった。
「プロが言っているのだから間違いない」
例えその人が怠慢な人物であったとしても調べようがない。
ご近所さんの中でもそんなに造園やエクステリアに従事している人も多くない。
誰のスキルがどの程度なのかだってわからない。
タウンページだってその常識を変えることにはならなかった。
⚫︎参考記事: 【熊本】「旗竿地(はたざおち)や犬走(いぬばしり)は絶対に透水性《コンクリート》」水はけ・雑草(2日目)
プロの僕だってこの言葉「旗竿地」を知ったのはここ数年だ。
そんなガチ専門用語を最近の一般の方は当たり前に「採用理由」にしてしまう。
これがインターネットが変えてしまった現実だと思う。
もう、知識や情報の上ではプロも一般も優劣はつけられない。
もちろん、毎日仕事で打ち込んでいるプロにはスキルの上では及ばない(DIYなど)。
でも、情報は完全に同等。
その施主に対して情報優位を傘に着ること自体不遜な態度と見られかねない。
そんな時代に僕たちは仕事をしているのだ。
「ドライテックで土間コン施工してください」
そんなふうに依頼されたら、仮に知らなかったとしてもプロは謙虚に調べなければならない。
中にいるのだ。
施工したことも、見たこともないくせに、イメージだけでネガティブキャンペーンを貼る方々が。
そう言った施工者はそのうち絶滅するんだろう。
そのほうが日本の庭は美しくなる。
つまり、日本の景色はもっと良くなる。
そう、ドライテックが日本の景色を美しくするのだ。
「ドライテックで土間コンを施工してください」
こうした採用理由が増えること自体がインターネットが変えてしまった現実の一断面なのだと思う。
宮本充也