2020/05/02
【山梨】バスケットコートを自宅に作るのが夢「真ん中が凹んでいる」ブラウン管・液晶パネル・土間コン

山梨県甲府市。「バスケットコートを自宅に作るのが夢だった」施主より、村田企画開発は以前に岡庭建材工業で開催されたセミナー・見学会でドライテックを知っていたため提案・採用され た。施工には自信がない為生コンポータルと共同で施工。
製造:富士生コンクリート、施工:村田企画開発・生コンポータル(1日目、230m2/270m2、100mm厚、9名、7時間)。
バスケットコートを自宅に作る「知っていたため」夢が叶った
施工Before。
なんとも広大な敷地(230m2・1日目)に一つも排水設備(U字溝や集水マスなど)が見当たらない。
「そのまま大地に水を還元する」
現代では、不自然にすら感じられるこの機能は、そもそも200年前何にも覆われていなかった大地では当たり前のことだったはずだ。
それがいつしか、「大地を覆う(舗装)」ことが自然となってしまった。
お施主さんの夢は「バスケットコートを自宅に作ること」。
施工中の動画
⚫︎参考記事: 「生コン、バスケットボールの役に立つ!」 土間コン・吸音・耐久性
ただ、屋外でコートを作る場合、土間コンには水勾配といって雨水を排水設備に流す坂道(傾斜)が必要となる。
斜めのバスケットコートなんかちょっと変だ。
そして、その希望に応えられる製品(透水性コンクリート)があることを相談された村田企画開発は知っていた。
以前、岡庭建材工業で開催されたセミナー・見学会に参加していたからだ。
「知っていた」
それだけで、お施主さんの夢は現実となった。
施工は初めてとなる村田企画開発の補助で生コンポータルも参加する。
「真っ平らなバスケットコート」というご希望に添えるため、水平を丁寧にとりながらの施工となる。
なんと1日(7時間)で230m2もの面積を舗装し終えてしまう。
土間コンではこうはいかない。
⚫︎水引き待ち
⚫︎金鏝仕上げ
などの工程はそれだけで半日はかかってしまう。
これだけの面積なら数日確保されることだろう。
あるいは、機械施工か。
いずれにせよ時間・費用の面で負担も多い。
施工After。
真っ平らな土間コンクリート。
前述したように土間コンには通常水勾配がつけられるため、真ん中を少し盛り上げるような施工がされる。
そうしなければ雨水はそのまま土間コンの上に滞水してしまうからだ。
ブラウン管から液晶パネルに変わった時の感動を覚えているだろうか(昭和の方向け)。
液晶パネルになった時、「真ん中が凹んでいる」ように見えなかっただろうか。
そもそもブラウン管は水勾配のように真ん中が盛り上がっていた。
真っ平らな液晶パネルに変わっても人間の目の補正はそのまま残っているから、「逆に真ん中が凹んでいるように見える」という感覚を抱いた人は少なくないはずだ。
そして、この土間コンどうだろう。
水平をきちんととりながら施工されているはずだから、真っ平らなはず。
だが、僕には真ん中が凹んでいるように見えるのだ。
現場で施工に当たる多くの施工者さんも同様の錯覚に陥る。
「真ん中が凹んでいるように見える土間コン」
真ん中が凹んでいるような土間コンはいつしか平らな土間コンクリートへ
現代、ブラウン管のテレビを見ている人はいるだろうか。
いずれの家庭も液晶パネルが標準のはずだ。
そして、土間コンクリート。
今はまだ、「普通の土間コン」とされているその土間コンクリートが、「透水性コンクリート」が普通の土間コンとなる未来。
僕には想像できるのだ。
今、テレビを見て「真ん中が凹んでいる」と言い張る人はいない。
数年後の未来。
液晶パネルのように、最初は「ちょっと変わってる(真ん中が凹んでいる)」と思われている透水性コンクリートも当たり前のように庭の駐車場に施工される時が来る。
最初は、「真ん中が凹んでいる」なんて色々いう人はいる。
変化を好まない人はいつの時代にもいる。
ただ、公衆電話が今やスマホにまで変貌を遂げたように。
いよいよ土間コンにも変化が訪れている。
最近Huluで視聴している「沈まぬ太陽」に登場するテレビはブラウン管だ。
さあ、数年後、数十年後。
今の土間コンは果たしてどれほど残っていることだろう。
製品寿命はテレビよりも土間コンクリートの方が長い。
だからこそ。
今を生きる人たちは土間コンに、
⚫︎(今はまだ)普通の生コン
⚫︎透水性コンクリート
どちらを選ぶのが適切な判断なのだろうか。
そのくらいの気概を持って僕たちは透水性コンクリートの普及に携わっている。
今回のお施主さんの夢「自宅にバスケットコートを」はこうして叶えられた。
その現場を「ブラウン管か液晶パネルか」という観点から考察している僕はちょっと変かもしれない。
でも、変なやつでなければ常識を否定しイノベーションは起こせない。
宮本充也