2020/07/05
「レンガ・ブロック・プレミックス製品など《生コン》隣接異業種との連携」物流革命

縦割り階層で整理されてきた産業・流通構造は、組織と組織、組織と個人を常に分離・隔絶してきた。そこには協業や連携のチャンスは少なかった。インターネット、そして企業間連携は新しい市場を拓く。「レンガ・ブロックなど隣接異業種との連携」物流革命。
建設資材の運賃について考えてみよう
(出典:https://www.monotaro.com/g/02891874/)
レンガ、ブロック、プレミックス製品(モルタル、生コン)などは生コンと違って通常の物流に頼る。
特にネット小売(Amazon、MonotaRO、楽天)などで取り扱われているようなBtoCになればなるほどその配送ロットは小さくなる。
生コンのように生コン車という特殊車両で運搬されるのではない。
ヤマトや佐川などのような一般物流の手により星の数ほどあるConsumerの手元に届く。
1個1,790円のパーキングブロックを購入するのに1個当たり1,600円もの運賃を別途支払わなければならない。
ホームセンターのように大規模な荷受けが可能な店舗と基地を兼ねたような場所に届ける場合には運賃は極限まで圧縮することができる。
ヤマトに袋セメント1袋を依頼するよりも、20ftコンテナで20パレットどっさり届ける方が1袋あたりの運賃が安くなることは想像に難くない。
ネット小売 vs ホームセンター
で考えた場合この運賃がネックとなって、レンガ・ブロック・プレミックス製品など一般家庭でもDIYなどで需要がある各種製品の価格はホームセンターに軍配が上がる。
同じ製品でもネット小売から買おうとすると物流コスト分が嵩んでしまうので、
「他の買い物のついでに近くのホームセンターまで買いに行くか」
という購買行動につながるのだ。
生コン工場を物流のハブとして捉える
生コンポータルでは「生コンをもっと身近に」生コン工場のマッチングサービスを運営している。
⚫︎参考記事: 「構内のガラクタをお金に変えよう」《7月10日ローンチ》生コン専用【無料】マッチングサービス詳細について
このプラットフォームをレンガ・ブロック・プレミックス製品を製造するメーカーの物流ハブとして捉える。
従来ネット小売などからの注文は製造元から一般の購入者の自宅に一般物流を通じて製品は届けられる。
例えば製造元が広島に位置している場合その製品の全国各地の配送コストの平均値が運賃として設定されることになる。
一方、生コン工場を物流ハブとして捉えた場合、各地に点在している生コン工場に20ftコンテナ単位で材料を一時保管する(在庫はメーカー負担)。
ネット小売からの注文に応じてメーカーは注文地の最も近い生コン工場にストックされている製品を集荷する。
つまり、注文主が神奈川県にお住まいの方であれば、神奈川県の生コン工場から製品は届けられることになる。
〈広島〜神奈川〉の20ftコンテナ単位の運賃+〈神奈川〜神奈川〉の一般流通運賃の合計額は〈広島〜神奈川〉の一般物流(ヤマトや佐川)運賃よりも大幅に圧縮される。
(※販売の都度製品1袋・個あたりの金額×%が生コン工場に保管料として支払われる)
生コンを生コンの製造拠点として「だけ」ではなく物流ハブとして捉えることによってハブアンドスポークが実現し物流革命が起きる。
また、注文者の希望に応じて生コン工場まで引き取り(さながらホームセンターに買い物に行くように)もできるようにしておけばエリア内運賃もカットできる。
つまり、生コン工場をハブ化することで製品価格(物流コスト)をホームセンター並み(かそれ以下)に抑えることができる。
レンガ・ブロック・プレミックス製品などはこれまで「ほとんどが運賃」だった。
ネット小売の弱点はホームセンターのように大量ロットで在庫しておくことができなかったこと。
その弱点をBtoB生コンが補う。
往時ヤマトが拓いたハブアンドスポークというイノベーションは自前の資本投下を前提とした危険な賭けだった。
(※小倉昌男「経営学」)
一方、生コンアライアンスとネット小売、隣接メーカーらが構築しようとしているハブアンドスポークは元々あった流通インフラを別の視点から捉え直したもの。
再定義であって何か改めて投資して用意するということはない。
出来合いのものを別の用途に転用したもの。
リスク0。
当事者の関係性の再構築のみで構築された新しい物流インフラ。
隣接異業種らが市場と顧客に価値が届くまでのプロセスを互いに補完し合う流通モデル(僕たちはこれをFlower of LIFEと呼んでいる)。
現在、この新流通構造が物流革命を起こす最終調整段階にきている。
宮本充也