2020/09/02
「路面や環境温度は本当に下がるの?」透水性コンクリートの路面温度低減効果

学術論文などエビデンスは豊富だ。ヒートアイランド現象の抑制など透水性コンクリートの効果に疑いの余地はない。ただ、それ、実感したことない人の方が多いはずだ。動画や写真、テキストでは伝えられない。それでも、いい。論文では伝わらない、ブログならではの伝え方でよくある質問「路面や環境温度は本当に下がるの?」に答えたい。
透水性コンクリートは《何故》他の舗装に比べて温度が低いのか?
●参考記事: 【静岡】「こどもたちによる《水遊び》はそのまま環境温度の低減という《貢献》に」正蓮寺・しょうれんじこども園 #4
コロナ禍。
プールなど滞留する流れのない水の中での遊びは敬遠される。
伊豆の国市のハス寺・正蓮寺の境内に整備された透水性コンクリートの上で夏の時期毎日開催されるウォーターパーティ。
https://www.facebook.com/100000528450032/posts/3799666563394255/
冷静に考えてみれば大量の水を好き放題じゃぶじゃぶ撒ける場所って無い。
運動場でやってしまえば水浸しぬかるみでしばらく利用できなくなる。
アイディアマンの渡辺元浄さんの計らいで毎日開催されているこの透水性コンクリートの上で開催されているウォーターパーティ。
プール遊びがお預けとなっている園児たちにとって最高のプレゼントであるはずだ。
この話にはおまけがある。
なんと、パーティーを初めてしばらく経つと涼しい風が流れ出し実際に気温を測っても温度は低下するというのだ。
遊べば遊ぶほど。
路面温度はもちろん、環境温度も。
体感としても、実際も。
路面や環境温度は本当に下がる。
これを裏付ける学術論文などエビデンスや実証実験結果はググれば枚挙にいとまがない。
ただ、そんなお堅い論文を読んだからといって腹落ち、納得には至らない。
それは実際に大量の論文を持ってしても世界の景色は変わらない(一向に透水性コンクリートや保水性の舗装が標準となっていない)ことですでに証明されている。
共感してもらえる形で「伝え」なければ世界の景色は変わらない。
そのために生コンポータルでは毎日阿呆のようにしつこく情報発信を行なっている。
以下に、北九州のパートナーAll round新井さんがFacebook上で紹介した実験を引きたい。
お恥ずかしながら「知って」はいたが「やったこと」はなかった《温度比較》
(https://www.facebook.com/102123871618088/posts/111323357364806/)
専門家という奴は気を付けてはいても時にして「頭でっかち」になってしまう。
アスファルトと透水性コンクリートを交互に乗り比べてみたり、学術論文の類に目を通し、「透水性コンクリートのほうが温度が低い」ことは「知って」はいた。
ただ、実際に温度を測る、という行為は今まで恥ずかしいことに一度もしたことがない。
その体験を最近巡り合ったパートナーAll roundの新井さんがサクッと行なっていた。
以下、Facebookから引用。
ドライテックサンプリング
路面温度試験!!
時刻:午後4時半頃
気温:32度くらい
新井の体温:34.5度
計器の誤差がおそらく-2度
厚み:
アスファルト5センチ
ドライテック10センチ
終日、直射日光が当たってるアスファルトと、同じ場所で砂利の上に置いていたドライテックです。
①表面温度
アスファルト48度
ドライテック40度
気温差8度
※計測準備で土台をアスファルトにしてしまった為にドライテックの温度が3度ほど上がってしまいました(汗 反省
②双方に散水(打水)1分しない程
アスファルト39度
ドライテック28度
気温差11度
※アスファルトは蓄熱してしまう性質があるため乾いたあとに再度温度上昇。熱交換で本当に冷ますのはもったいないくらい相当な水の量が必要...そして...1番恐ろしいのがサウナ状態になる...
真夏の雨上がりの道路...誰でも味わった事があると思います(汗
蓄熱作用、街中で夜なのに暑いのはこれも原因の一つかな
対するドライテックは正直驚きました 誇大表現でもなんでもないです ドライテックは水と空気を通す構造。熱交換がnatureなんです
③本日の気温の1番高い時間帯の午後3時の温度戻りましたヤバイです
ドライテックはコンクリートの上に放置していた状態。砂利の上になおしていなかったのにまた反省...がしかし!!軽く散水したら...上記の状態になんだろぉなぁ...
ちょっとと水かけた涼しくなる。という安心感を得てしまいましたアスファルトはかなり水をかけて冷やしてその後はサウナ...
④温度検証の体感動画もあげますのでそちらもどうぞ(笑)
どっちが好きか、どっちが良いかは自由。ただ凄いスキルを持ってんなぁ!!ドライテック
#ドライテック #drytech #ドライテック北九州
#透水野郎aチーム
#温度測りまくり工務店
計測時点での温度だけじゃない。夜になってからの温度も
上記実験で「路面や環境温度は実際に下がるの?」は実際下がるということがわかったと思う。
ただ、それだけじゃない、ということをお伝えしたい。
夜、暗闇になってからも、透水性コンクリートはその環境性能を発揮することはあまり知られていない。
今年の夏も猛暑だった。
寝苦しい毎日に苦しんだ人も多かろう。
「クーラーなしでは死ぬ!」
である。
この原因は実はあまり知られていないことだが、アスファルト舗装によるところが少なくない。
それもそのはず、アスファルトは石油からできている。
近いところではコールタール。
あの粘性の高い液体をぐつぐつ煮込んだとしてその温度は水に比べてどれほど早く下がるだろう。
ご想像の通りである。
なかなか冷めない。
とろみのある酸辣湯麺がなかなか冷めないのと同じ理屈だ。
つまり、アスファルトには蓄熱作用というものがある。
日中熱されたアスファルト舗装は夜になってもなかなか冷めてくれない。
これが、熱帯夜の理由。
一方、コンクリートはどうだろう。
元素記号で言えばSi、Caで構成されているのがコンクリート。
ガラス、石の仲間、つまり無機質だ。
「100度に熱せられたコールタールとガラス。あなたなら加熱を止めて1分後どちらを触ることを選ぶだろう?」
こんなイメージで伝わるだろうか。
熱しやすい、けど、冷めやすい。
これが、コンクリート全般に言える性質。
さらに、打ち水(ウォーターパーティ)をすれば環境温度はぐんぐん低下。
透水性コンクリートはその構造から比表面積が大きい。
水だけではなく、空気も通す。
風通しがいい。
もう、これ以上の説明が必要ないだろう。
気化熱効果は隙間のないアスファルトやコンクリートに比べて大きくなる。
風通しがいいことでその効果はさらに上がる。
夏の終わりかけにこんなブログで恐縮です。
もしかしたらこの夏何も知らずに自宅をアスファルトや土間コンクリートで工事し終わってしまった方も多いかもしれない。
そんな人がこのブログを読んだら激おこだろう。
ごめんね。
あなたの分も、なるべく多くの人を熱帯夜から救えるようにこれからもブログをせっせと更新するね。
「路面や環境温度は本当に下がるの?」
よくある質問に対してのブログ風の答え。
どう?
納得してもらえた??
宮本充也