2020/09/05
【静岡】「滑らんなあ」《防滑》《平ら》《雑草》中園工業

静岡県田方郡。前回はサイクルポートを平らにするために施工したが、今回駐車場部は水勾配はあるが「滑り止めのために」透水性コンクリートが採用。転圧も薄ベニア(4mm)でなくポリカで行う。「前回に薄ベニアを使ったらベニアの色がコンクリートに少し残ったため」。
製造:長岡生コンクリート、施工:中園工業(担当:安東一樹、18m2、100mm厚、4名、30分)。
施工動画
滑り止めが採用理由《透水性コンクリート》
施工Before。
こちらの現場は都合3日に分けて透水性コンクリートが施工されている。
⚫︎参考記事:【静岡】「日本中どこでも生コンのように購入できる一般的な製品だ」《ドライテック》
生コンポータルが運営する生コン工場の生コンのお客様中園工業。
前回は「サイクルポートを平らに」という採用理由だったが、今回は見ての通り敷地外に向けてきちんと水勾配(排水のための傾斜)が確保できている。
なのに、透水性コンクリートを採用する理由は「滑り止め」という機能。
別記事でも詳しく取り上げようとしているが「水を通す」という見た目派手な性能の影で実はこの「滑らない」という機能はあまり認知されていない。
通常土間コンクリートの場合雨が降れば路面に滞水する。
金鏝でツルツルに仕上げられた土間コンの上が濡れていたら、そりゃ危険だ。
さらに、その水はなかなか引かないため北側や犬走りなど陽が当たらない場所にはコケ・カビが容赦なく生育する。
濡れてツルツルな土間コン表面にコケが生える。
もはや、凶器だ。
雨の日の土間コンは凶器としか表現できない笑。
一方、透水性コンクリートは表面は骨材の輪郭がそのまま浮き彫りでゴツゴツとしているし、金鏝でツルツルに仕上げられずプレートコンパクタで転圧仕上げのみ。
路面に滞水することはないのでツルツル滑らない(バスケットコートに採用すれば踏ん張れると評判)。
もちろん、そんな路面状態だからコケ・カビも生育しにくい。
舗装されて1年が経過した土間コンクリート(奥)と透水性コンクリート(手前)は建物北側。
土間コンは1年でコケが繁殖し始めているが、透水性コンクリートは全く見られない。
「平らにしたい」
という理由も多いけれど今回のように、
「滑らないように」
と採用されるケースは超高齢化社会を迎える我が国にあってもっと認知されるべき性能なのではないか。
というわけで、施工スタート。
手前側は前回(実績報告無し)施工された駐車場部分のドライテック。
施工は常にシンプルで、材料を敷設したら写真にあるようにトンボで平坦性(凸凹していない度合い)を確保する。
今回注目したいのは転圧(プレートコンパクタ)の方法。
通常プレートマークと言って展開する際にプレートの切り替えした痕(凹凸)が発生するのを避けるのにベニア板(4mm)を使用することがあるが、今回はポリカで代用している。
「前回ベニアを使った際多少ベニアのアクが表面に残ってしまった」
ということで、アクの出ない素材ポリカの採用。
施工After。
左手残りの部分は午後に施工をするそうだ。
「滑り止めのために」
見た目でも通常の土間コンとは違った「滑りにくそう」な風合いがわかる。
よく引き合いに出される「洗い出しに似ている」表面は洗い出し同様骨材輪郭がそのまま出ている。
それは未来永劫永続する機能なのでお施主さんがお年を召しても足元は安全な舗装のままだ。
滑らない透水性コンクリート《ドライテック》
「滑らんなあ」
いつだって期待を裏切らない。
外さない。
お客さんや施工者さんの期待に常に応える透水性コンクリート。
「水勾配が嫌」でもいいし、「平らにしたい」でもOK。
あるいは、「早く施工を終わらせたい」「草むしりから解放されたい」。
最近では「バスケのドリブル音をなんとかしたい」や「路面温度を下げたい」なんて期待にも応えている。
そして、今回のように「滑り止め」なんて期待にも「滑らず」応える透水性コンクリート。
他にもどんな性能があるのか。
4年余りで2,000に及ぶ施工実績(https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/case/)には透水性コンクリートがどんな思いに応えてきたかが紹介されている。
「滑らんなあ」
みんなの期待に応えられる透水性コンクリートは今や舗装の当たり前の地位を獲得しようとしている。
宮本充也