2020/09/12
【千葉】「《忙しい》は誰のせい? 透水性コンクリート《やる》《やらない》を分けるモノ」山一園

千葉県鴨川市。途中またもどしゃぶりの雨。大気が不安定な日本の夏・秋には武器となる最近話題の透水性コンクリートを自社の資機材置き場に練習を兼ねて舗装。展示場にもなる。
製造:匿名、施工:山一園(担当:唐鎌泰紀、33m2、100mm厚、4名、80分)。
施工動画
市場は地面、無限大。
施工Before。
このところ多いのが「最近話題の透水性コンクリートを今のうちから練習しておこう」という施工者からの声。
そうは言っても、練習のためだけに透水性コンクリートってのも、と思われるかもしれないが、結構あるのだ。
「砂利敷きならまだマシ、地面ぬかるみそのままにしてある、夏には雑草が繁茂する地面」
そう、今回ご採用いただいた山一園さんの資機材置き場もそんな地面の1だった。
練習を兼ねた資機材置き場の舗装施工スタート。
コツとなるのが敷設後型枠のキワなど端部の締め固め。
この部分はプレートコンパクタ(後述)の転圧がしづらいため、タンパと呼ばれる専用の道具で入念に締め固める。
余盛(よもり)と言って、転圧すると仕上げ面が下がるため余分に材料を盛っておく必要がある。
透水性コンクリート《ドライテック》の場合は100mmを仕上げにする場合は120mm(余盛20mm)で敷設することになる。
転圧すれば100mmになる。
また、使用材料の目安は1m3/8m2としておけば現場で材料が足りなくなることはない。
転圧(プレートコンパクタ)スタート。
通常の土間コンクリートにはない工程であるため、この道具の取り扱いは確かに練習が必要かもしれない。
ただし、30kgなど比較的小型のコンパクタであればDIY向きでもありすぐに要領をつかむことができる。
そして、またしても、雨に見舞われる。
このところ紹介している施工実績の「突然雨に見舞われる」率は非常に高い。
「毎日雨」の梅雨が終わったと思ったら本格的な台風シーズンを迎えている日本列島。
夏、そしてこれから迎える秋本番の日本は常に大気が不安定で、これまで土間コン施工に携わる全ての人を苦めてきた。
一方、透水性コンクリート《ドライテック》はそんな季節にもたくましく施工実績を重ねている。
それは「雑に扱える」という施工特性が理由となっている。
⚫︎参考記事:【東京】「こういう雨対策ができる《雑に扱える》透水性コンクリートすげえっ」リフォーム仁力舎・都屋建材
空と雨雲レーダーを気にしながらの施工。
雨天時の施工の目安は「表面のペーストが洗い流されない程度の雨」。
ただ、自然が相手でもあるため、なるべく安全側に配慮した工程管理を心がけたい。
いよいよ施工も終盤戦。
仕上げ終了面はすかさずブルーシートで雨養生を施す。
施工After。
33m2、80分で終了。
施工後3時間もすれば「どんなに強い雨が降っても大丈夫」。
「最近話題のドライテック気になるけど施工するきっかけがないんだよね」
新技術に出会うとまず最初に「やらない理由」から入ったりしないだろうか。
ついつい後回し。
日常の雑務に追われてしまって気づいたら夕方、夜みたいな。
「忙しい」
やらない理由。
伝家の宝刀だ。
ただ、「なんで忙しいのか?」を考えた場合、透水性コンクリートをすでに武器として活動されている施工者の方々、「やらない理由をかざして今日も普通の土間コンオンリーで工程管理に苦しんでいる施工者たち」を見ていると身につまされるものがある。
「忙しい」は誰かのせいではなくて、自分自身の身から出た錆、ということ。
ちょっと気合を入れて練習用の土地を探してみれば結構あるはず。
カレンダーに施工日を記入してしまう。
いついつドライテックを施工練習する、と。
そして、その日を迎える。
雨に見舞われる。
それでも、なんとか施工できることを知る。
「この雨にも強い性能がいかに今後の工程管理に有益か」
何もできなくなってしまう雨の日も1日無駄にせず土間コンクリートが施工できる。
このことで「忙しい」が「ゆとり」に変化する。
やっぱ、やらない理由、できない理由、は嘘だ。
透水性コンクリートの普及の道で出会う多くの積極的な施工者やプロの方々との交流で自分自身も気をつけなきゃなと思う。
宮本充也