2020/12/09
「コンクリートの塩基(アルカリ性)は樹木の根に悪影響を及ぼさないの?」

このところ公共事業での採用事例も急速に伸びつつある透水性コンクリート《ドライテック》。大地に蓋しないコンクリートは環境再生を果たす。よくある質問「コンクリートの塩基(アルカリ性)は樹木の根に悪影響を及ぼさないの?」。役所の皆さん、ご安心を。コンクリートの塩基が樹木に悪影響を与えない理由について。
樹木の根上り対策、アスファルト剥がし透水性コンクリート
あづまコンクリート工業の「二代目まさつぐ」こと墨田さんからの質問。
「公共事業で桜の木の根上り解消工事で、現在根っこの上がアスファルトなんですが、剥ぐってドライテックにしたいそうなんですが、アルカリ等の溶出が気になるとのことで、相談を受けました。たしか以前に樹木の保護でドライテックを使用してたと思うのですが、大丈夫でしょうか?分かる方がいれば教えて頂きたいです。」
これ、公共物件のように環境への影響が大きい事案で結構多く寄せられる質問。
「アルカリの溶出大丈夫?」
なかなか当を得た質問だ。
なぜなら、植物は一般にpH6.0〜6.5の弱酸性土壌を好むと考えられている。
一方のコンクリートは強アルカリ。
雨水がコンクリートの空隙を伝って地中へ浸透するのだから、アルカリの影響で土壌がアルカリ性に変質してしまうのではないか。
そのことで樹木の枯損などが生じるのではないか。
⚫︎参考記事: 【徳島】樹齢800年スギに新芽「回復してきてよかった」那賀町天然記念物
理屈はあとで説明するが、結論・実績から言えば問題ないどころか樹木にとって良い環境を作るのが透水性コンクリート舗装だ。
アルカリ性の水が浸透するのはほんの短期間だけ。
確かに出来たてほやほやの時点ではコンクリートを流下した水はアルカリ性となる。
ただ、専門家はよく知るようにコンクリートは「中性化」と言って大気中のCO2を捕捉して中和される。
そのため、アルカリ水が浸透する期間は限定されるため、土壌へのアルカリ性の影響も限定的。
かてて加えて、「大地に蓋しない」透水性コンクリートの性能により「土壌は酸性になりやすい」ということができる。
意外に感じるかもしれないが、理屈は以下の通りだ。
「雨(酸性雨)の多い我が国では表層から塩基が溶脱して土壌中は酸性になりやすいので、場合によっては石灰等による酸性の中和を考える必要がある」(「1級造園施工管理技士実地試験対策」より引用)
そう、つまり蓋しない、雨水の浸透を阻害しないため、雨水は舗装後も継続的に地下に浸透し続ける。
つまり、表層の塩基が溶脱するため、結果樹木等が好むpH6.0〜6.5となりやすいのだ。
コンクリート構造物を伝った雨水が全て問題になるということであれば、もう世の中のビルや橋脚やダムの存在を否定することにもなる。
硬化コンクリートはそんな有毒なものではない。
(硬化不良、未水和のセメントからは重金属の溶出が懸念されることは知られている)。
これが、よくある質問「コンクリートの塩基(アルカリ性)は樹木の根に悪影響を及ぼさないの?」への答えとなる。
悪影響どころか、好影響しかない。
根系に水を届け根上も起きづらい。
もっと言えば、仮に根上が起きてもアスファルトのような塑性体ではないからボコっと膨れ上がったりすることもない。
版が一体で重石として作用することからも根上対策に有効となる。
道路の下の土は、舗装が壊れないように堅くつくられています。街路樹は空気と水を取り込むために根を伸ばそうとしますが、 土が堅すぎるうえに、空気と水、養分が不足しているので、なかなか生育することができません。
そこで樹木は、少しでも空気と水がある部分、地面の上の方や、縁石沿いに根を伸ばし、太くなって舗装や縁石を押し上げます。
透水性コンクリートは大地に蓋しない、樹木の根系に水と酸素を届ける。
だから、根っこはがんばらないでも、水と酸素に浴することができる。
役所の皆さん。
ご安心ください。
透水性コンクリートを採用することであなたの出世が遅れたりとか責任問題になったりとかしませんよ笑。
むしろ、自然環境に優しいグッドデザイン賞金賞・経済産業大臣賞を獲得したドライテックを採用することは、あなたの出世につながるかもしれません。
お役所勤めは大変かもしれませんが、今やドライテックはせっせと営業していた頃よりもなぜか断然公共物件に採用されるようになりました。
今、採用しないと、行政に携わる人として失格ですよ。
がんばれ、お役所勤めの皆さん。
上記の理由で透水性コンクリートは環境に優しいのです。
ご採用、お待ちしております。
この答えは1級造園施工管理技士の資格取得のための学習が裏付けとなった。
やっぱ、勉強は裏切らない。
こんな答えをできるようになったのも2年近く勉強を続けている造園の知識のおかげだ。
学習に終わりはない。
今は舗装施工管理技士の学習に日々勤しんでいる。
宮本充也