2019/09/04
【徳島】樹齢800年スギに新芽「回復してきてよかった」那賀町天然記念物

約500平米のアスファルト舗装を粒子の大きいコンクリート(透水性コンクリート)に替えて透水性を高め、雨水が道路に浸透して木の根まで届くようにした。
透水性高い舗装で回復
徳島新聞で報じられた粒子の大きいコンクリートとは、透水性コンクリート「ドライテック」。
採用は昨年10月(https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/post_519.html)
800年前の地面を取り戻し回復の兆しを見せる。
肥料による土壌改良では足りない。
樹木医が指摘する水分不足。
樹齢800年、高さ40m、幹周9.4mを誇る門杉がまだ芽吹いたばかりの若木だった頃の地面。
今を生きる人々は誰一人生まれていない。
当時は、電気や水道は無い。
人々は冠水しないところに住まいを求めた。
人が自然を支配しようなんて発想はここ200年の話。
当時は若木だった門杉もそして村の人々も自然に恵まれながら暮らしていた。
そんな800年前には地面はまだ何にも覆われていなかった。
町のシンボルであり天然記念物に指定された門杉に異変が現れたのは20年前。
村の古老たちがまだ子供だった頃から町のシンボルだったその老木。
みるみる衰えていくその姿はどんな風に写っていただろう。
「回復してきてよかった。町内にここまで大きく古い木はないので、これからも守ってほしい」
そのコメントに想いがにじむ。
日本中の生コン工場が取り戻そうとしている。
僕たちが広げているのは商品やモノじゃない。
その町に200年前にはあったはずの自然と人が調和する世界。
そんな経験やコト、共感の輪を広げている。
工業製品、生コン。
過去を振り返ればここ70年の生コン産業は山河を削り、一層荒れ狂う自然から人々の「自然を支配する」暮らしを守り、大地を汚してきた。
一方、そのインフラ資材は未曾有の繁栄を齎した。
今や200年前の不便な暮らしに後もどりすることはできない。
ヒートアイランド、ゲリラ豪雨、豪雨災害。
今立ち現れているサインは生コン産業の今後への問いかけだ。
このまま進むべきか。
後退すべきか。
あるいは、挫折するべきか。
突き抜けるか。
生コン産業が挫折や後退を選ぶことなく統合され超越する形。
僕たちは透水性コンクリートによる200年前のまだ何にも覆われていなかった大地と安心で安全な暮らしを統合する超越を選びたい。
樹齢800年の門杉と共存できる環境。
徳島の事例は今後の生コン産業に大きなヒントを与えてくれた。
宮本充也