2021/01/16
【熊本】「土間コンと違って左官屋さんに来てもらう必要がない」「施工中に型枠を撤去できる」高野組・エクスショップ

熊本県宇城市。施主より透水性コンクリートが希望され採用された。いつも土間コン打設の時には左官屋さんを外注いるが、これなら自分達で(内製化)できるので経費負担も少ない。土間コンと違って午後から施工できるのがいい!
髙野組(担当:宮嶋智恵美)、施工:エクスショップ(77m2、100mm、5名、5時間)
施工動画
土間コンと違って左官屋さんを頼まなくてもOK
施工Before。
施主より、「透水性コンクリートでお願いします」という指定あり。
エシカル消費のムードが高まる中、こうしてお施主さんからわざわざ駐車場の舗装に商品指定が入ることが非常に多くなった。
一方、施工者の方は「駐車場舗装といえば土間コン」とほぼ思考停止に陥っていることもあり「お施主さんに聞いた」ということで問い合わせをいただくケースが多い。
どの地域でもニーズが発生すると必ず必要になるのが「施工者」に加えて、「製造者」生コン工場の存在が必要不可欠となる。
今回は以前残コンの関係でご縁のあった高野組生コンが製造に気持ちよくご協力くださった。
⚫︎参考記事:「智恵美の快挙!生コン女子の残コンブレイクスルー|残コンスラッジ処理システム」
施主のニーズに、施工、製造が伴ってようやっと「地球に蓋しない」ドライテックは形となる。
ドライテック施工の特徴の1つとして、「型枠を施工中に撤去できる」というのがある。
生コンと違って「スランプ」が0cmなので仕上げ後材料が自立するからだ。
そのため、50m2を超えるようなある程度大きい面積の場合は型枠で2つ3つにレーン分けすることで、効率的に施工することができる。
施工幅が狭くなればそれだけ必要な作業員数も減らせる。
材料もフレッシュな状態で仕上げることができる。
施工After。
77m2の駐車場舗装は5名で5時間で完了。
土間コンとしては非常に大きい面積となったが、ご当地エクスショップ施工店としては初めての経験ながらも半日で終わる。
「土間コンと違って午後から施工できるのがいいね!」
「金鏝仕上げがないから、左官屋さんにきてもらう必要がないのは、費用負担を圧縮できるね」
上々の反応だった。
ドライテックが土間コンとほぼ同額で原価が組める理由。
⚫︎参考記事:「あと数年したら土間コンと同じような価格になるかなー」庭ファンに寄せられた質問に勝手に答えるシリーズ#3
ドライテックの材料は、高い。
地域によってまちまちだが、普通の生コンと比べて、2倍から高い地域では3倍の価格で流通している。
普通に考えたら、材料代の分で完成品も高くなる。
ただ、写真で見てもわかるように、ワイヤーメッシュがない。
いずれの施工実績も時間が報告されているが、半日とか、早い場合には1時間以内で終わる。
生コン材料代分、施工費を圧縮できる。
そして、今回エクスショップ施工店の話にもあるように、「外部から左官屋さんを呼ぶ必要がない」というのがでかい。
完全に自社職員だけで施工ができるのだ。
つまり、経営目線から言うと日給月給・固定費で雇用している職員だけで施工できるということになる。
そして、排水設備の軽減。
土間コンの場合、水切り(排水)のためにスリットを切ったり(その分の型枠工事が必要)、水勾配をつけてU字溝などの排水設備を追加で設置したり、それらも費用負担となる。
透水性コンクリートは、地面にそのまま降雨を還元してしまうので、余計な費用負担はかからない。
時短、ワイヤーメッシュが不要、外注不要、排水設備不要。
これらが「原価を同等に組める」理由となる。
ただし、原価とプライスは厳密にいえば異なるので注意が必要だ。
「原価が安くなったんだから、その分プライスも安くしてよ」
は発注者や施主のわがままとも言っていい。
施工者はプロとしてドライテックを工事しているのだ。
そんじょそこらの新しいことに挑戦しようとしないポンコツ施工者と違って、どこよりも早くドライテックに価値を見出し果敢に挑戦しているのだ。
頑張った分は評価されてもいいと思う。
何より、透水性コンクリートには従来の土間コンにはない付加価値があるのだ。
地球に蓋しない、エシカル消費であるばかりでなく、排水に困ることなく真っ平らにすることができる。
何でもかんでも安くしろ、はとても倫理的な消費活動とは思えない。
もちろん、普及するに従って、価格はこなれていくことは間違いない。
今は過渡期ということなのだろう。
5年以内に「駐車場舗装といえば、透水性コンクリート(ドライテック)だよね」という常識を作ることが生コンポータルの使命だ。
宮本充也