2021/02/06
「カーテンゲート意外な組み合わせ?水勾配のないドライテックが役に立つこと」

福井県には何もカニを食べに伺ったわけじゃない。もちろん、カニも美味しくいただいたが、本題は折戸専業メーカーTOKO訪問。「カーテンゲート工事で問題になるのは大体土間コンの施工」。不変の問題解決策となるか?TOKOとの異色のコラボレーションが始まる。
はねだしが土間コンに引っかかる
これ、カーテンゲート(折戸)を折りたたんではみ出てしまうこの部分を「はねだし」と呼ぶそうだ。
最初何のことかさっぱり意味がわからなかった。
カーテンゲート屋さん?
大変お世話になっているとある方からのお話。
「福井のカーテンゲート屋さんに行きましょう」
ご一緒にカニ食べれそう
それだけでの目的で二つ返事で了解してから実際TOKOさんを訪ねるその時までさっぱり見当もつかなかった。
そう。
ドライテックならではの役立つ機能があったのだ。
ドライテックなら水勾配をつけず真っ平らにできるため、例えばカーテンゲートのはねだしが引っかかってクレームが発生するなんてこともないことを力説するTOKO森松さん。
なるほど、カーテンゲートクレームの大半は土間コン施工に関わる
福井県鯖江市にある折戸専業のトップメーカーTOKOのショールーム。
「作っているのは開放感。」TOKO:https://www.toko-ss.co.jp/
カーテンゲートが設置される場所の舗装は大抵土間コン。
そして、開け放たれたカーテンゲートからはおよそ「はねだし」と呼ばれるはみ出す箇所がある。
そこが土間コンの水勾配の高低差、高いところに引っかかる。
カーテンが開かない。
そんなクレームが頻発するという。
そこで、ドライテック。
ドライテックといえば「水勾配が要らない」排水を兼ねた舗装。
土間コンと違って、高低差がない。
完全フラット。
だから、はねだしが突っかかるってことがない。
なるほど、慧眼。
素晴らしい。
どんなコラボレーションのあり方があるだろう?
アルミ折戸もプロダクト。
ドライテックもプロダクト。
両者ともにエクステリアというフィールドで用いられる。
確かに、ドライテックにすれば便利、クレームが起きにくい、それだけじゃなく、水たまりも排水も解消される。
けれど、僕達は工事屋さんではない。
だから、組み合わせたプロダクトを作るってのもちょっと想像しにくい。
例えば、カーテンゲートの柱の基礎をドライテックにするとかだろうか。
それならわかる。
カーポートと違って建築物ではないからJASS5の規定も関係ない。
JIS規格も気にしなくていいだろう。
基礎工事と土間コン舗装を同時に施工できれば、そりゃ確かに効率が上がるしクレームも起きなくなる。
でも、どんなコラボだろう。
「1〜2週間時間ください。協業のたたき台みたいなのをご提示します」
EX・ウィンド事業部長の窪田さんが言葉を発した。
ちょっとこれ、驚いた。
僕も営業経験はそこそこ長い。
大抵の営業先は判断を後回しにする。
「社内で検討してからご返事します」
常套句だ。
そして、忘れる。
埋もれる。
長年営業という仕事をしてきて思うのだが、彼らは仕事をした気になっているだけであって、実は何もしていない。
採用するかしないかなんか、その場で決められる。
その判断を後回しにすることには何の効果もないのだ。
ついつい感動して「すごいですね。ご自身で期限まで切っちゃうなんて。なかなかそんな企業見かけませんよ」と申し上げた。
すかさず、佐々木社長。
「大体、そんなもん、『今度飲みに行きましょう』の絶対にやってこない『今度』と同じ。そもそも相手に対して失礼。」
さすがは、折戸トップランナーの発言だ。
皆さんノリノリの方達ばかりで心から今後が楽しみだ。
基礎や土間コンをドライテックにすることで見込まれる性能はこれだけじゃない。
佐々木社長が力説していた「これからはカーボンオフセット」。
ドライテックには通常の土間では考えられないほどの単位時間あたりのCO2固定量が見込まれている。
⚫︎参考記事: 《コラム》「透水性コンクリートの本当の価値は水を透すことではないのかも知れない」
開放感(コロナ禍)とZEB・省エネ(高機密)の両立を目指すTOKOの文脈。
ドライテックの文脈と重なる部分が少なくはない。
これまでもそうだが、結局コラボや協業が捗るのはプロダクト同士の相性ではない。
人と人との相性。
共感だ。
佐々木社長率いるTOKOの皆さんはプレゼン中もずっと異分野のことであるにもかかわらず熱心に首を縦に振って目を輝かせていらした。
本当に仕事が楽しそうだった。
そんな人たちとのコラボならきっとうまくいく。
そして、そんな人たちにきちんと応えられるような自分でありたい。
「カーテンゲート意外な組み合わせ?水勾配のないドライテックが役に立つこと」
さあ、そんな旅にこれから仲間たちと踏み出そうとしている。
そして、その先では、エクステリアは世界の景色をもっともっと美しくすることだろう。
宮本充也