2021/03/21
【沖縄】「本州よりも猛烈なスピードで公共事業での浸透は進む」南建工業・南洋土建

沖縄県宜野湾市。水勾配をつけたくない。排水も取れない、などの理由から施主がインターネットで生コンポータルとドライテックを知り、南洋土建に相談して採用となった。いよいよ沖縄でも本格的にドライテックの普及が始まった。
製造:南建工業(担当:島袋隆雄)、施工:南洋土建(75m2、100mm厚、8名、3時間30分)
最強の風水害の場所でも始まった
⚫︎参考記事1:【沖縄】「残渣式流動化処理土に続け!沖縄のドライテックが本格起動」南建工業・南洋土建
先月のうちに準備万端整えていた。
沖縄で土建業と生コン製造業を展開する企業グループ、南洋土建と南建工業が今年からいよいよ本格的にドライテックを同地区で普及させる。
沖縄といえば台風の通り道。
南洋土建といえば残渣式流動化処理土を当地で一般化させた実績を持つ。
⚫︎参考記事2:「侍たちのドラマ|沖縄LSS」
風水害の頻繁に起こるご当地で「地球に蓋しない」コンクリート舗装もいよいよ常識になろうとしている。
今回は施主がインターネットで「水はけ」「水勾配」「排水」を調べていて生コンポータルを探し当てドライテックが採用された。
もし、南建工業や南洋土建という受け皿がなければそのニーズは宙に浮いていただろう。
普及に際して最も重要なことは供給インフラ。
その土地の製造・施工に携わる人たちの共感。
その意味では同社らとの交流は長く、ご当地での一般化は約束されたようなものだ。
敷設された材料はレーキなどで平坦に均すのと並行して端部はタンパで締め固める。
ここで余盛や転圧の適切なタイミングなどを確認することになる。
OKとなれば後ろからプレートコンパクタ(30kgタイプ)が追いかけ仕上げとなる。
犬走部施工After。
施工After。
同グループによる本格的なドライテック施工は75m2を8名で3時間30分(半日足らず)で完成させた。
南洋土建とはどんな会社なのか?
1949年創業というから72年の歴史を誇る老舗建設会社。
ご当地を代表する地場ゼネコンの1つにも数えられる。
グループには南建工業という生コン製造会社を融資、製造・施工一体で沖縄のインフラを支える実力はすでに残渣式流動化処理土を当地の汎用品として認知させたことでもわかる。
従来であれば公共事業などが発注する大規模インフラ工事を受注するのがメインの業態。
だが、ご当地は日本でも有数の風水害の地域。
「地球に蓋しない」コンクリートは見事にハマることは、アスファルトは高温にさらされると緩み撓みやすくなることからもわかるはずだ。
戦後の沖縄のインフラを支え続けてきた老舗グループがドライテックに舵を切った。
大地を削らない、汚さない、蓋しない、CO2を収容するコンクリート。
島国の中の島国として何かと閉鎖的なイメージのある同地だが、一旦常識が形成されてしまうとその浸透も早いことは残渣式流動化処理土の拡大を見れば頷ける。
今回は民間工事での採用となった。
だが、同グループの十八番は公共事業。
エリア内の発注官庁との関係性は長く深い。
ドライテックの持つ性能に沖縄のインフラを支え続けてきた同グループの推薦が加味されればまさしく鬼に金棒。
どんな雨が降ってもとどまらず立ち所に地面に吸収されてしまう沖縄の地面。
保水効果もあるためヒートアイランドも抑制される。
アスファルトの地面よりも10〜20度温度が低い。
ストーリーは完璧だ。
NRマークが偶然同じの南建工業が製造するドライテックは南洋土建によってご当地で舗装される。
沖縄の地面の常識も変わろうとしている。
もしかしたら、本州よりも猛烈なスピードで公共事業での浸透は進むのかもしれない。
宮本充也